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京都精華学園 13番 堀内桜花
昨年の決勝で桜花学園相手に悔しい負けを経験している京都精華学園は、独特の雰囲気とゴール裏のスペースが広いメインコートへの慣れがあった。肩書きはアシスタントだが、実質チームを指揮する山本綱義コーチは桜花学園への対策に時間をかけてきたため、「急遽、対策を練習ではなく、言葉で言ってきました。どこまで選手たちが対応してくれるかと思ったのですが、任せっきりの状態でよくやってくれました。留学生同士の意地の張り合いにならないよう冷静にプレーすることと、3Pのケアするようしっかり言っていました。メインコートでプレーすることに対して、子どもたちが萎縮したり、自分たちのプレーが思い切りできないということではなくて、慣れが勇気を与えてくれたと思います」と話す。
70対47のスコアで京都精華学園が勝った準決勝は、試合開始からの約7分間で勝負が決まってしまったと言っていい。柴田柑菜がドライブからフィニッシュしたのをきっかけに、イゾジェ・ウチェが東海大付属福岡の留学生、ファール・アミナタに走り勝って速攻でフィニッシュするなど、怒涛の17連続得点で試合を完全にコントロール。今年のチームとして最高レベルのパフォーマンスだったか? と問われた八木悠香は、笑顔で「はい」と答えた。
宮崎優介コーチが「硬かったですね。会場の雰囲気と相手のプレッシャーに飲まれてしまいました。毎回このレベルを経験しなければということですかね…」と語ったように、東海大付属福岡はなかなかいい形でショットが打てず、1分35秒に稲次菜々子が3Pを決めるまで無得点に抑え込まれた。7分30秒にタイムアウトを取って流れを変えようとしたが、5分6秒にファールが2本ともフリースローをミスしてしまったことも、京都精華学園の勢いを増す要因になったのは明らか。その後は互角に渡り合える時間帯を作っていただけに、試合開始からの7分間は正に悪夢だった。
経験値の差に加え、京都精華学園は攻防両面で質の高いパフォーマンスを発揮していた。アグレッシブなドライブなどで得点を重ねた八木悠香が17点、10リバウンド、ウチェが13点、18リバウンド、堀内桜花が13点、13リバウンド、4アシストと、昨年メインコートを経験した主力が期待に応える活躍。また、3分強ながら昨年の準決勝を経験していた柴田も12点、10リバウンドのダブルダブルで勝利に貢献したことでも、京都精華学園はチームとしての完成度が高いことを示していた。八木は試合をこう振り返る
「昨日のミーティングでもディフェンス、出だしの部分のディフェンスが大事と言われていて、そこをみんなで徹底しようという意識があって、それをコートでできたことはよかったです。この舞台に戻ってこられたことはうれしい」
桜花学園に4点差で惜敗したファイナルから1年、京都精華学園はインターハイとの二冠達成まであと1勝に迫った。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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