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バスケット ボール コラム 2021年12月28日

【ハイライト動画あり】帝京長岡:5年前の準決勝で2OTの激戦で負けた福岡第一に競り勝って初の決勝進出

ウインターカップコラム by 青木 崇
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帝京長岡 7番 島倉欧佑

帝京長岡 7番 島倉欧佑

今からのちょうど5年前、タヒロウ・ディアベイトを軸にしたチームだった帝京長岡は、準決勝で福岡第一と対戦。試合開始早々からの15連続得点で主導権を握りながらも、2Qに猛反撃に直面してリードを失い、再延長で1点しか奪えずに78対89のスコアで力尽きての敗戦を喫した過去がある。

夏のインターハイで全国大会ベスト4の壁を突き破ったが、ウインターカップで悲願の頂点に立つためには、5年前と違う結果を出さなければならない。速攻とディフェンスの機動力が強烈な福岡第一に対し、柴田勲コーチは控えポイントガードだった大月舜を先発で起用。「ブレイクで走られないことと、ボール運びのところを丁寧にしていく」というゲームプランだったことや、試合途中で箕輪武蔵が足をつったことで戻れなくなるアクシデントが起きたことを考えると、24分6秒間で4点、3アシスト、3スティールを記録した大月の存在は大きな意味があった。

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「福岡第一は早いのでなるべく足を動かして、ファウルが少ないように心がけました。8と88がガードのキーマンなので、自分が抑えられたらと思って頑張りました。最初は緊張したんですけど、後半はだんだん慣れてきて自分のいいプレーができたと思います」

先発起用の期待に応えた大月がこう語ったように、福岡第一のガードを構成する轟琉維(FG:36本中6本成功)と佐藤涼成(FG:21本中7本成功)の得点を限定させることは、速攻での失点を少なくすることへもつながる。大月だけでなく、箕輪、田中空、島倉欧佑、古川晟といった選手たちが最後までディフェンスの機動力を維持できれば、帝京長岡が勝つ可能性は十分にあった。

前半で10点リードされるなど主導権を握られかけたものの、6点を追いかけて迎えた3Qになるとディフェンスの強度が上がり、福岡第一をスローダウンさせることに成功。島倉とコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードが得点源となって流れをつかんだ帝京長岡は、13連続得点で46対38と逆転する。コネは前半で2ファウルになりながらも、福岡第一のヌンビ・マトゥンガ・マイク相手に攻防両面で我慢強さを発揮し、24点、27リバウンド、4ブロックとチームを牽引したことも大きな意味があった。

【ハイライト】

福岡第一 vs. 帝京長岡|高校バスケ ウインターカップ2021 男子準決勝

4Q8分14秒に古川が決めた3Pショットで9点のリードを奪った帝京長岡だったが、ディフェンスのプレッシャーをさらに強めた福岡第一の追撃に直面し、残り1分56秒で佐藤に3Pショットを決められて61対61の同点に追いつかれた。「向こうに流れが行きそうな3Pを決められたり、同点に追いつかれたときはちょっとアレかなと思ったんですけど、最後まで子どもたちの集中力が途切れなかったところは素晴らしかった」と柴田コーチが振り返ったように、帝京長岡の選手たちは決してパニックに陥ることなく、辛抱強く戦い続けることができた。

同点とされた直後、コネが1分19秒にドライブ、残り40秒にもオフェンシブ・リバウンドからファウルをもらい、4本中2本のフリースロー成功させたことで帝京長岡は再びリードを奪う。最後の2ポゼッションで素晴らしいディフェンスを見せると、残り13秒コネがダンクを叩き込んでダメ押し。67対61というロースコアの激戦を制した帝京長岡は、5年前の雪辱を果たして初の決勝進出。柴田コーチは表情こそ淡々としていたものの、「うれしいですし、本当に子どもたちが頼もしいなと思っています」と決勝進出を素直に喜んだ。

インターハイ準優勝を成し遂げた後、チーム内で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した帝京長岡。8月20日から9月いっぱいまで部活動は完全にストップするという大変な事態を経験したが、一体感を増してメンタルもよりタフになったチームは、初の全国制覇をかけて福岡大学附属大濠との決勝に挑む。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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