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優勝した桜花学園
優位に立てるところがあれば、徹底的にそこから攻める。これは長年変わらないバスケットボールの鉄則。今年の桜花学園は、186cmの3年生オコンクウォ・スーザン・アマカ、185cmの2年生朝比奈あずさという他の高校にない高さを持っていた。
東京成徳大との決勝戦、最初のオフェンスで江村優有とアマカのピック&ロールから展開し、朝比奈がドライブで得点。アマカを最大限に警戒していた東京成徳大からすれば、嫌なスタートだったに違いない。朝比奈は7分2秒にペイントにカットした佐藤多伽子に見事なアシストを決めるなど、決勝の舞台でも自信を持ってプレーできるようになっていく。
エースのアマカは2Qになってから少しずつエンジンがかかり、朝比奈や江村からのパスをゴール下でもらってのフィニッシュだけでなく、ドライブでディフェンダーを抜き去って得点するというプレーを見せる。東京成徳大の粘り強いディフェンスと質の高いセットオフェンスもあり、2Qで一時6点差まで詰め寄られたが、後半になるとアマカの独壇場となっていく。
「昨日は私のプレーが全然できていなかった。チームメイトもコーチも声をかけてもらって、明日のゲームもしっかり頑張ってと。今日の自分は自信を持って、優勝して笑顔で終わりたいと思って頑張りました」
こう語ったアマカは、9点リードで迎えた3Qの頭からインサイドでボールをもらうと着実にフィニッシュに結びつけ、3分30秒間で8点をゲット。桜花学園のリードがあっという間に19点まで広がった。東京成徳大の遠香周平コーチは「(桜花学園の)ファーストプランを潰せた時間帯もあった」と語ったものの、試合が進むごとにアマカの得点が増えていくばかり。
さらに、ツインタワーを構成する朝比奈が、「中に対して寄ってくる時と、1対1でアマカさんが入っている時の判断を意識してやりました」と振り返ったように、ローポストにいるアマカへ何度もいいパスを通す一方で、オープンになればジャンプショットやドライブから得点を奪っていた。試合終盤にはアマカからのアシストで、カットした朝比奈がフィニッシュというシーンは、正にツインタワーが機能していた証と言えるプレーだった。
「自信がない時、チームメイトによって自信をつけさせてくれた」と話したアマカが、大会史上2位となる1試合53点という大爆発。しかし、16点、11リバウンド、4アシストを記録した朝比奈の活躍が、東京成徳大のディフェンス対応をより難しくしていた。89対65のスコアで東京成徳大を破って2連覇を成し遂げた後、井上コーチはツインタワーについて次のように評価した。
「アマカ一辺倒になったのがあって、もうちょっと朝比奈のスコアがあれば…。アマカとの朝比奈の合わせのプレーもあったんですけど、今日は特に江村に対して徹底的にプレッシャーをかけて、インサイドにいいパスをさせないというのが成徳の作戦だった。江村のターンオーバーは増えたけど、逆に言うとマークを厳しくしすぎて、インサイドのディフェンスが甘くなったのかな。だからアマカが50点を超えるスコアになったと…。4番5番のポジションはいい仕事をしたと思います」
現代バスケットボールが3Pショットの重要度を増している中、桜花学園はサイズの優位を最大限に生かすクラシックなスタイルで、23回目のウィンターカップ制覇を成し遂げた。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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