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桜花学園の新キャプテン・江村優有
「ぼくから離れたあとに全員が泣いていました」
インターハイ中止を選手たちに伝えた日のことを、井上眞一監督は静かにそう振り返る。
夏のインターハイ、秋の国体、そして冬のウインターカップ。
去年、桜花学園はその3つの大会全てで優勝を飾り3冠を達成。下級生たちはその光景を目に焼きつけて《自分たちも絶対に》と決意を固めていた。
しかし、その夢は無情にも消え去り、コロナウイルスは彼女たちに戦うことすら許さなかった。新チームでキャプテンを務める江村優有は「残念な気持ちと悔しい気持ちが大きかったです。(井上監督から)聞いたときは泣いていませんでしたが、部屋に戻ってからみんな泣きました」と振り返る。
女王・桜花学園。燦然と輝く功績は他の追随を許さない。1986年に井上監督が就任して以降、獲得したタイトルの数は[67]を数える(インターハイ:24回 / ウインターカップ:22回 / 国体:21回)。
「日本中の全国大会に出てくるチームは《打倒・桜花》できますので、それを撥ね除ける力を持たないといけません。手を抜いたプレーをしたり、オフェンスで自分から点を取りにいかない選手は叱るし、BチームやCチームに落としたりして刺激を与えています」(井上)
激しいチーム内競争に勝ち抜いた者のみがコートに立つことを許される。油断や慢心は一切許されない。だからこそ、女王は女王のままあり続ける。コンペティションが無くなることは選手たちのモチベーションに大きく関わるが、桜花の選手たちに落胆している暇はない。
「今はチームのレベルアップもそうですが、個人のスキルも磨いて、全体でレベルアップできるようにやっています。インターハイやそれ以外の大会もなくなっていますが、そこで終わりじゃありません。次に向けてどんどんレベルアップして、バスケットを楽しんでいきたいです」(江村)。
井上監督「苦しいときには江村が点を取ってチームを助ける」
「1年生のときから試合に出させてもらい、たくさんの経験をしてきました。高校最後の年、このチームでも3冠を取りたい思いがありましたし、チームを引っ張っていきたいと思ってキャプテンにならせてもらいました」(江村)。
中学時代からその才能は突出していた。巧みなドリブルワークに鋭いドライブ、高い確率のシュートで得点を量産し、ジュニアオールスターでは長崎の2年連続準優勝に貢献。アンダー世代の日本代表にも選ばれ、井上監督をして「江村は中学校のときからスーパースター」と言わしめる存在だった。
そんな江村と言えばアシストのイメージが先行するファンも少なくないだろう。偉大な先輩たちが支えるチームの中において、彼女の使命は《点の取れる選手に点を取らせること》に重きが置かれていた。しかし、自身が最終学年となる今年のチームでは助けてくれる先輩はもういない。
「以前はアシストが多かったですが、いつも点をとってくれるエースの先輩たちがいなくなって、自分で点を取りに行く気持ちが強くなりました。ポイントガードとしてもキャプテンとしてもチームを引っ張っていくためにコミュニケーションの部分を大事にしてやっています」(江村)
桜花学園 井上眞一監督
「中学時代は一試合に40〜50点を一人で獲れる選手でしたが、ポイントガードというポジションだったので、結構アシストをすることが多くて、あまり自分から点を取りにいかなくなりました。だけど、苦しいときには彼女が点を取ってチームを助ける、(今年のチームは)そういう状況だと思います」(井上)
井上監督は江村に対して「もう少し声が出たら良いなと思います」と厳しい言葉を送るも「らしさもでてきた」と成長を感じている。迎えた高校最終年「プレー以外でも声で引っ張って、プレーでもみんなの先頭に立ってお手本になれるような選手になりたいです」(江村)。キャプテンとしの自覚に目覚めた江村の本領が、今年のウインターカップで見られるかもしれない。
インターハイの中止は、高校バスケ選手たちのウインターカップに向かうエネルギーを加速度的に増加させたに違いない。予断を許さぬ状況に変わりはないが、ウインターカップが今年開催されれば、そこに集まる高校生たちの熱量は史上稀に見るものになるだろう。
「今年3冠を達成したら70勝だったので、70勝を先生にプレゼントしようと思ってやっていました」(江村)。
3冠の夢も、70勝を井上監督にプレゼントすることも今は叶わない。だけど、桜花学園は今も爪を研ぎ続ける。ウインターカップで全国制覇を成し遂げるために。
文:J SPORTS 編集部
J SPORTS 編集部
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