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バスケット ボール コラム 2018年12月24日

【ウインターカップ2018 コラム】国際試合の経験と3Pシュートへの自信を深めた三浦が勝利の原動力に

バスケットボールレポート by 青木 崇
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精華女子 No.7 三浦舞華選手

精華女子 No.7 三浦舞華選手

U17代表としてワールドカップを経験している三浦舞華は、序盤で3Pシュートとドライブからのジャンプシュートで幸先のいいスタートを切ったと思われた。しかし、全国大会の初戦ということと、奈良文化のゾーン・ディフェンスの攻略に苦しんだこともあり、精華女は前半で22点しか奪えない。チームとしてリズムをつかめない状態で時間が経過した影響で、三浦は2Qで1点も奪えない10分間を過ごしてしまう。奈良文化に一時10点以上のリードを許すなど、精華女は大苦戦を強いられる。

「中に入れたりショートコーナーでつなぎたいと思って準備してきたんですけど、うまくいかず、後半でゾーンオフェンスを変えて、思い切り三浦と矢野(聖華)に打ち続けろと指示を出しました。そこで迷わずにやってくれてよかったです」と大上晴司コーチが語ったように、精華女は後半になってボールと選手の動きがより活発になった。その結果、三浦も5本の3Pシュートを決めてチームを牽引し、トータルで7本の3Pシュートを決めるなど25点、11リバウンドのダブルダブルを達成。3Q終盤になんとか逆転した精華女は、粘る奈良文化を62対57で振り切って3回戦に駒を進めた。

「前半は自分たちの思ったプレーができなくて悪い流れが続いていたんですけど、タイムアウトでディフェンスとリバウンドを徹底しようと話をして、それがうまく行き始めてから自分たちのシュートも決まり、ペースをつかむことができたと思います」

三浦は試合をこう振り返る。3Pシュートはあまり自信なかったというが、7月にワールドカップに出場して世界レベルを体感し、より高いモチベーションで取り組む姿勢を身につけた。3Pシュートをレベルアップさせるために、ゲームのように息が上がった状態で、ディフェンスされた中で打つというゲームライクの練習に取り組んだ。また、体幹を徹底的に鍛えることも、シュートの精度を高めるうえでプラスになっているという。

「体感がなかったので(身体を)上に上がりきれず、ボールを頭の上に持ってくる間に曲がってしまったことがありましたので、体感を練習後にひたすら鍛えました。昨日もやったんですけど、やり続けてぶれなくなり、まっすぐ上に上がるようになりました」

三浦の強みといえば、クイックリリースのシュートをワンハンドで打てること。ワールドカップでサイズのある選手とのマッチアップを経験し、クイックリリースがブロックされないために欠かせないと認識していることが大きい。大上コーチは三浦のシュートについて次のように説明する。

「もっと速くなると思ってやっているんですけど、女子の高校生でワンハンドショット、あれだけリリースが速く打てる子はいないので、ディフェンスも大変だろうし、チェックすればファウルにつながってくるようなシュートなので、もっと精度を上げていってくれたらなと思います」

三浦の父祐司さんは能代工のOBであり、日本リーグのNKKでもプレーした経歴の持ち主。高い身体能力は父親譲りであり、大上コーチが時間帯によってポイントガードとして使うなど、オールラウンドな能力を持つガードとして今後の成長が楽しみな選手だ。オフコートでの三浦はNBAの動画、特にステフェン・カリーのプレーを見るのが非常に好きだという。しかし、最近は故郷宮城県の先輩で、来年ルイビル大に進学する聖和学園のエース、今野紀花のプレーをチェックしているそうだ。

「最近は今野紀花さんが一番目標にしている選手。ユーロステップとか、シャムゴットとか、ロールしてシュートとかをすごく見て練習しています」

まだ2年生ということもあり、将来の進路ははっきりしていない。しかし、今野に続きたいという意識が、三浦の中で芽生えてきたのはまちがいない。八雲学園との3回戦は、強豪相手でも存在感を示せるか、U18代表のスコアリングマシン奥山理々嘉に負けないパフォーマンスでチームに貢献できるか、という2点だけでも注目に値する試合になるだろう。

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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