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バスケット ボール コラム 2018年12月19日

【ウインターカップ2018 プレビューコラム / 安城学園】日本一を目指すチームにとって大きな支えとなっているスカウティング担当の控え選手たち

バスケットボールレポート by 青木 崇
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スカウティングを担当する部員たち。写真左奥から平得みなみ、柴田彩香、下地杏実、右奥から渡邊楓花、金子碧葉、大山まなみ

スカウティングを担当する部員たち。写真左奥から平得みなみ、柴田彩香、下地杏実、右奥から渡邊楓花、金子碧葉、大山まなみ

今年のインターハイ。優勝した桜花学園を筆頭に、岐阜女、四日市商を加えた3校がベスト4進出を果たすなど、東海地区のレベルが高いことを示す結果が出た。安城学園は3回戦で岐阜女に敗れたといえ、ウインターカップで優勝を狙える駒を揃えている。

U17代表としてワールドカップに出場したオールラウンダーの野口さくら、ポイントガードでキャプテンの那須みらい、インサイドでもアウトサイドでも得点できる深津彩生は、昨年のウインターカップ準優勝に貢献したメンバー。この3人を中心に、金子寛治コーチは悲願の日本一に向けた準備を入念に進めている。

日本リーグのNKKでプレーしていた現役時代の終盤、金子コーチはアシスタントコーチを兼任していた時期があった。その時に分析する習慣が身につき、安城学園の指揮官になってからも継続。5対5の練習を必ず撮影させ、終了後に映像を徹底的にチェックし、部員の一人に自身が話した言葉をノートに記させ、次の練習や試合に生かそうとしている。

そんな指揮官がすごく頼りにしているのは、スカウティングを担当する控え選手たち。同じ愛知県内に桜花学園がいるなど、強豪の多い東海地区で戦って結果を出すには、自分たちだけでなく相手チームの分析もしっかりやることで、チームに貢献したいという気持を持って取り組んでいる。各種大会で試合を撮影する役割も担う控え選手たちについて、金子コーチは次のように話す。

「データ社会で必要と言えば必要なので、毎年スタメンクラスでないとそういう仕事をやらせている。下級生も入るんだけど、かなり大きいですよね。相手のことを調べる、軸足とか得意なプレーとかフォーメーションとかね。点数にすれば10~20点になりますよね」

ウインターカップに向けて、スカウティングを担当しているのは、平得みなみ、柴田彩香、下地杏実、渡邊楓花、金子碧葉、大山まなみの3年生6人。ライバル校が出場している大会となれば、彼女たちは顧問の先生が運転する車にとって会場に駆けつけての撮影も行う。そういった映像を何度もチェックすることで、彼女たちは相手のプレーを図にしたダイアグラムも書けるようにもなっていく。正にコーチの卵と言っていいくらいに…。

「各チームの特徴とか、メンバーの子たちがコートに立った時、ナンバープレーでもこれが来たと思ってもらえるように細かくやります。相手チーム一人一人の特徴を調べ、“ドライブはこっちが多いとか”最後の最後まで分析し、全員が共通理解できるように伝えることを心がけています。日本一になれたら言うことないです」と語る柴田を筆頭に、彼女たちはスカウティングの仕事に誇りを感じている。

練習後に映像で徹底的に分析を行う

練習後に映像で徹底的に分析を行う

ウインターカップ予選の決勝が行われている時、プレーしている選手たちが相手のナンバープレーをベンチに伝達。その直後に“このプレーだよ”とベンチから教えることができたことは、控え選手たちがスカウティングの仕事をやってきてよかったと思える瞬間だった。

「スカウティングの子たちはスカウティングの子たちで一つになり、メンバーもメンバーで一つにまとまって、その2つが一緒になったことで、一つのベースを作ることができました」と野口が語れば、那須キャプテンも、「ウインターカップに向けてたくさん、細かく準備してくれているので、5人がコートの中で安城学園のバスケットを表現して恩返ししたい」と意気込みを口にする。

昨年最後の最後で競り負けて逃した日本一を目指し、安城学園は部員たちの一体感が着実に上昇中。スカウティング担当の控え選手による徹底した分析を生かしたゲームプランを金子コーチが構築し、出場する選手によってしっかり遂行できれば、悲願のウインターカップ制覇も決して夢物語ではない。

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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