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バスケット ボール コラム 2018年7月31日

【インターハイ女子プレビュー】5年ほど続いた桜花学園と岐阜女の2強体制から新たな時代に突入か?

バスケットボールレポート by 青木 崇
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昨年のウィンターカップは、大阪桐蔭が安城学園を延長の末に競り勝ち、2011年以来となる桜花学園と岐阜女が決勝に進出しない大会となった。2018年度で最初の全国大会となるインターハイは、例年に比べると多くのチームに優勝のチャンスがあると言っていい。

6月下旬の組み合わせ発表で第1シードとなったのは、ウィンターカップ準優勝校の安城学園。愛知県の大会で2連敗していた桜花学園に対し、東海大会ではエースの野口さくらが31点の大爆発で勝利。金子寛治コーチは「県では桜花に2連敗。東海で勝ったから第1シードだけど、ゾーンディフェンスで勝ったから本当の強さじゃない」と語るが、野口ら昨年のウィンターカップ経験者が多く、フロントラインのサイズがあるのも武器になる。

ただし、野口はベラルーシで行われるU17ワールドカップに出場しており、帰国から8月3日の初戦まで中2日。疲労を抱えた状態でのプレーを強いられることになるが、チームメイトを生かす術を知っている。3回戦での対戦が濃厚な岐阜女との大一番を制することができると、地元開催のインターハイ制覇も現実味を増してくる。

岐阜女は大黒柱のバイ・クンバ・ディアサンが卒業した穴が大きく、2年生となったハディ・ダフェにその代役として期待されているものの、試合経験を重ねている段階。しかし、伝統である厳しいディフェンスを武器にインターハイ2連覇を虎視眈々と狙っている。得点力のあるキャプテン池田沙紀がチームを牽引するが、控えの林真帆が3Pシュートで存在感を示すような展開になると、安城学園を撃破することも十分考えられる。

安城学園と岐阜女にとって長年の宿敵である桜花学園は、東海大会が準優勝に終わったためノーシード。昨年のチーム同様、サイズのあるチームではないものの、オープンでシュートを打った時の精度が高い。坂本雅、伊森可琳、モハメド早野夏の3年生と、U17代表の平下愛佳が持ち味を発揮し、1年生ポイントガードの江村優有はピック&ロールから得点機会をクリエイトする機会が増えると、桜花学園の強さを実感できるかもしれない。

桜花学園と準々決勝で対戦することが濃厚なのが、関東大会を制した八雲学園。昨年のウィンターカップでは下級生中心のチームでベスト4まで勝ち上がり、30点以上を計算できるほど抜群の得点力を持つ奥山理々嘉が最上級生となってチームを牽引する。インサイドでもアウトサイドでも得点できる奥山に対し、高校生だと1対1で止めるのは難しい。成功へのカギは、小村日夏理と吉田眞子が第2、第3のスコアラーとして活躍するかになりそうだ。関東大会での八雲学園は、準決勝、決勝ともにスターター5人が40分間フル出場。2回戦で開志国際、3回戦で浜松開成館というタフな相手が待ち構えており、桜花学園との準々決勝まで勝ち上がってきても、5人だけで戦い抜くのは厳しいのでは? といった見方があっても不思議でない。

抽選の結果で安城学園がシードとなったトーナメント表の左上ブロック、八雲学園がシードの右上ブロックに強豪校が集まった印象がある。左下のブロックからは留学生がいいと安城学園の金子コーチが見ている明星学園と、攻防両面でスピーディーな展開をする聖カタリナ学園。右下ブロックからは名門の大阪薫英女学院と、オールラウンダーとして注目される今野紀花を擁する聖和学園は注目に値するチームと言えよう。

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青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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