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栗林良吏(カープ)
今季は開幕ローテーションに配置転換した投手が2人います。3月29日の中日戦では、昨季までブルペンの中心的存在だった栗林 良吏が、6年目でプロ初先発。7回終了までパーフェクトの投球で、1安打完封勝利、投球数100球以内の『マダックス』を達成しました。
4月2日の東京ヤクルト戦では、ルーキーイヤーから救援で41試合に登板した2年目の岡本 駿が先発し、勝ち星こそ逃しましたが、こちらも7回無失点と合格点以上の投球を見せています。
投手の分業制が確立した近年では、リリーフから先発、またはその逆の配置展開は大きな出来事と言えそうですが、今回は過去にカープでリリーフから先発に転向して成功した選手の詳細を調べてみました。
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昭和のデビューから22年間の現役生活で148勝、138セーブを記録したのが大野豊(以下全て敬称略)でした。
大野はリリーフでプロ初登板した際、アウトを取ったのが打者1人のみ、満塁弾を浴びるなど、自責点5で1年目の成績は防御率135.00という『伝説』を持っている投手ですが、翌年移籍してきた同じ左腕、同じ名前の江夏豊に師事し、2年目からはブルペンに欠かせない存在になりました。
プロ6年目までに50試合以上登板を3度記録しましたが、プロ8年目の1984年から本格的に先発に転向し、24試合(先発21試合)に登板して、9完投、2完封で10勝をマーク。
その後も先発として1988年には、ともにリーグトップの14完投、4完封で13勝、防御率1.70で最優秀防御率のタイトルも獲得。翌年も19試合で防御率1.92と2年連続で防御率1点台を記録しました。
そして、1991年からはリリーフに再転向し、2年連続でリーグ最多の26セーブを記録。1995年からは再び先発に戻り、1997年には防御率2.85で2度目の最優秀防御率のタイトル獲得と、驚異的とも言うべき成績を残しています。
平成元年のドラフト1位で入団した前監督の佐々岡真司も通算100勝100セーブ(138勝、106セーブ)を記録した投手です。
1年目は先発からスタートした佐々岡ですが、チーム事情もあり、シーズン途中からはクローザーを任され、当時のNPB新記録である17試合連続セーブポイントを達成するなど13勝、17セーブを記録しました。
2年目は先発に戻り、17勝、防御率2.44をマークして最多勝、最優秀防御率の投手2冠を獲得。チームもリーグ優勝を果たし、シーズンMVP、沢村賞にも輝きました。
翌年も先発で12勝をマークしましたが、4年目の1993年にはシーズン17敗を喫するなど、不振が続いて翌年のシーズン途中にリリーフに再転向。1996、97年に2年連続20セーブ以上を記録した後、1998年にチーム事情からまたシーズン途中に先発に戻り、翌年は15勝、2000年も10勝と2年連続2ケタ勝利を記録しています。
『ビッグレッドマシン』と呼ばれた強力打線で、リーグ優勝まであと一歩の成績だった1994年には、この年から先発に転向した紀藤真琴が、16勝を挙げて最高勝率のタイトルを獲得しています。
愛知県の中京高校(現中京大中京高校)からドラフト3位で入団した紀藤は、プロ4年目の1987年から一軍で起用されるようになり、1989年には主に中継ぎで61試合に登板して防御率2.68とブレイク。
その後は先発転向を試みるも結果が出ず、ショートリリーフや敗戦処理などでの起用が続きましたが、2度の右肘手術から復帰を果たした1994年には再び先発に転向。このシーズンは最多勝争いをするなど、大きく飛躍を果たしました。
投手の役割分担が明確になった2000年以降は、前述した3人ほど大きくモデルチェンジを果たした選手はなかなかいませんが、プロ3年目の2004年に43試合登板で、17セーブを記録した大竹寛は、翌2005年の先発転向で10勝を記録。
現役選手では高卒2年目の2018年にリリーフとして53試合に登板したアドゥワ 誠が、翌年先発として3勝、右肩手術を経て完全復活を果たした2024年に先発として6勝をマークしています。
栗林は今季2度目の登板となった阪神戦でも8回1失点と文句なしの結果を残しましたが、かつての大エースのような成績を残す投手になれるのか。2年目で更なる飛躍を目指す岡本とともに注目したいと思います。
文:大久保泰伸/写真:産経新聞社
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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