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野球 コラム 2026年2月27日

MOBYのMLB取材ノート〜「WBCチェコ代表キャンプレポート」

野球好きコラム by オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)
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第6回となるワールド・ベースボール・クラシック2026(以下WBC)は、3月5日から東京ドームで本大会が開幕します。厳しい予選を突破した4ヶ国を含む計20ヶ国による計47試合の戦いが東京、ヒューストン、マイアミ、サン・ファンにて2週間に渡って繰り広げられます。日本時間3月7日から10日に至っては1日7試合が4日間連続、ベースボール・ファンには春眠なんか暁もへったくりもありゃしない、夢の様だけど全て現実のボールゲームが延々と続く日々がやってきます。

前回大会、ペッパーミルが大流行だった東京ドームのPOOL Bをよそに、ひとりPOOL A・台中ラウンド全10試合を取材したボクは、全5チームが2勝2敗で並んでしまうというかつてない激戦を目の当たりにし、WBCという大会の面白さを改めて味わいました。そこで残念ながら失点率で最下位となり、今大会は予選ラウンド行きになりながら勝ち上がってきたチャイニーズ・タイペイが東京ドームで開催されるPOOL Cに入り、過去に開催された東京ドームでの1次リーグの中では過去最高レベルの戦いが繰り広げられるのでは、と期待しております。日本戦以外の試合のチケットもソールドアウトしていますし!そのPOOL Cの中で、やはり判官贔屓的に注目してしまうのは……チェコですよね。22年予選を奇跡的に勝ち上がり本戦でも中国を下し初白星、次大会予選免除をゲットし、日本の野球ファンのハートを掴み交流も始まったチェコは、「ビロード※1」とはひと味違った活気に溢れたベースボール革命の真っ只中にいます。
(※1:1989年にチェコスロバキアで起こった平和で静かな民主化革命のことを、軽く柔らかなビロード(ベルベット)の生地に例えて名付けられた。)

サインをする田久保賢植コーチ

そのチェコ代表のスタッフリストをみると、日本人の名前があります。その方、田久保賢植さんは、前回は多岐にわたるサポートでチームに帯同、今回は内野守備コーチとしての参加になりました。2012年、チェコリーグ初の日本人選手としてプレイ、その縁で前回大会からチェコ代表に帯同し、今回は宮崎県三股町でのキャンプ開催までの手筈を整えられたとのこと。その田久保さんから「MOBYさん、是非キャンプに見学に来て下さい!」とお誘いを受けたので行って参りました、宮崎県三股町へ!所属しているバンドのツアー中だったこともあり1泊2日と短めですが、キャンプレポートをお届けいたします。

球場に到着した選手たち

初日は宮崎空港からレンタカーに乗り、広島東洋カープが60年以上に渡りキャンプ地として使用している天福球場は、借景も見事な味わい深さ。広島2軍との練習試合に臨んだチェコ代表は、2月22日(日)・23(日)の千葉ロッテマリーンズ2軍との試合に出場していた主力組から選手を大幅に入替え試合開始。広島側から「言って頂ければ何でも対応、協力しますので!」と非常に寛大な申し出もあり、この日は選手の入替などは自由、投手の球数制限や試合時間を踏まえ3アウトにならずとも途中でチェンジ、とにかく9回まで試合を行う、という特別ルールで行われました。直近の練習試合2試合では計12回と短いものの無四球だったチェコ投手陣でしたが、この日は5投手で6四球、そして1本塁打に7長打、計22安打とカープ2軍打線が大爆発……!広島打線にとっては初見の投手が投げるスライダーやチェンジアップを見極めて選んだり綺麗に逆方向に捌いたり、改めてNPBのレベルの高さを思い知りました。2アウトのまま攻守交代になったのが合計3イニング、つまりもっと点が入った可能性も。

J SPORTS 放送情報

ボクの隣で途中から観戦されていた宮崎県知事の河野俊嗣さんは、2アウトでチェンジになってしまった状態を目の当たりにし少々混乱しておりましたが、ボクが隣で解説させて頂きました……。ただその中で先発の左腕、チェコ野球協会広報も兼任するルーカシュ・エルコリ(#63)は牽制で一塁走者をアウトに。チェコ投手陣は総じて一塁牽制が上手く、2月26日の対千葉ロッテ1軍との練習試合も含めると牽制刺が4試合で5つ、アウトを取れる場面があればどこからでも狙う意識の高さが感じられました。打線の方は散発4安打でしたが、3回には下位打線から第2捕手かつDH候補、NCAA(全米大学体育協会)1部所属大学でプレイ経験のあるマルティン・ゼレンカ(#38)による二塁打含む3連打で2点。打線も全体的にラインドライブを狙う意識が感じられ、大味ではない、しっかり鍛えられている印象でした。試合は18-2と大差がついたものの、チェコ代表が得たものは大きかったかと思います。

前夜からの雨の影響で、残念ながら旭が丘運動公園野球場のグランド状態不良により、25日の公式練習は室内練習場へと場所が変更に。渋さの極みと例えざるを得ないその球場での練習を観たかったのですが、またそれは次の機会があると信じたいです。とはいえ三股町には立派な室内練習施設があるからこそ、この町でキャンプを張ることが出来たのでしょう。練習開始の9時少し前に訪れると、選手たちが乗っているのかな?と思しきバスから降りてきたのは何と小学生たち!社会科見学なのか、あるいはお祭りなのかと錯覚してしまうような歓迎ムードの中、最初の時間帯に練習する野手組5~6名が到着。練習を開始するといつのまにか幼稚園児達も窓から練習を覗き、声援を飛ばし、入口にはチェコ観光協会がブースを出していました。、

レーザーポインターを使った練習

トス打撃、フリー打撃を順番にこなす中、あまり観たことのない練習をこなす選手たちの光景もありました。田久保コーチに聞くと「監督に自ら売り込んできた韓国人のミスター・オーによる、動体視力を鍛えるトレーニング」とのこと。ひとつは2色のレーザーポインターを使ってスイングする・しないの判断を瞬時に行うトレーニング、もうひとうつはバドミントンのシャトルを至近距離から打込み、それを試合用のバットで打つ練習。チェコの大黒柱的存在の捕手マルティン・チェルベンカ(#55)は的確に当てていて、調子よさそうですね、この練習あなたに向いていると思いますか?と尋ねたところ「調子は良いよ。自分では向いているかどうか判らないけど、まあそうなんだろうね」。MLB通算68試合出場のテリン・ヴァブラは「こんな感じの練習は初めてだね。もちろん(所属している)オリオールズでもやったことがないよ。でもこの練習によってWBCでも、MLBでも活かされると良いね」と気に入っていた印象でした。パベル・ハディム監督にこの練習の意図を尋ねると「チェコリーグでは95マイル(=153キロ)~100マイル(=161キロ)を投げる投手がいないので、球速に対応出来るトレーニングを、ということで導入しているんだ。動体視力を養うこと、目と脳の判断を瞬時に合致させる能力を少しでも伸ばせたら、という狙いだね」とのこと。ハディム監督は普段は神経科医として働き、医学博士号を取得している医学のプロフェッショナルということもあり、その影響もあるのか尋ねると「まあ、そうかもね」。

J SPORTS オンデマンド番組情報

田久保コーチ曰く、チェコの冬は厳しく、2月に野球をやることは難しく、このキャンプで久し振りに実戦に臨んでいる選手たちが殆ど、とのことだそう。その中で創意工夫を重ねた練習も取り入れ、WBC優勝3回の日本、同準優勝1回の韓国、24年プレミア12優勝のチャイニーズ・タイペイ、オリンピックで日本に勝利したことのあるオーストラリアを相手に、何とか勝負出来る状態に持ち込もうと必死のチェコ代表の獅子奮迅振りを、三股町で垣間見ることが出来ました。練習試合と強化試合を経て、いよいよ3月5日(木)19時試合開始の対韓国へ。ヨーロッパ随一のジャズが盛んな国でもあるチェコが、見事なアドリブで様々な場面でアウトを重ね、点を重ねるベースボールを期待しながら、ボクもWBC開幕を待とうと思います。

文・オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)

オカモト"MOBY"タクヤ (SCOOBIE DO)

1995年結成、"LIVE CHAMP"の異名を持つロックバンド「SCOOBIE DO」のドラマー兼マネージャー。
MLBコメンテーターとしても精力的に活動し、J SPORTS「MLBミュージック」メインMC、そして2023年シーズンからMLB中継の解説を担当予定。2022年4月には初の著書『ベースボール・イズ・ミュージック~音楽からはじまるメジャーリーグ入門』(左右社)を出版。MLBに関するラジオ出演や執筆活動も多数。2021年にはテレビ東京系ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』で俳優としてもデビュー。

SCOOBIE DO http://www.scoobie-do.com/
Twitter: @moby_scoobie_do
Instagram: @moby_scoobiedo

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