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パドレスとのオープン戦で先発する今永
1年契約。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への不参加。昨季終盤の不振。カブスの今永昇太投手(32)のオープン戦初先発は、今季に懸ける思いが込められた2イニング、33球だった。
パドレス相手に3安打無失点、無四球、1三振。この日の最速94.1マイル(151.4キロ)はメジャー移籍後のMAXだった。昨季の東京シリーズで投じた93.8マイル(150.9キロ)を更新した。
「ここ最近すごくキャッチボールからいいですし、キャッチボールでいい流れのものをマウンド上でも、傾斜がついても生かせているので、また新たな発見がありました」
その「新たな発見」とは。
「準備でどうやれば体調が良くなるとか、キャッチボールで悪いボールがいってもその次のボールで修正できる。自分の体の内側をより理解し出したので、引き出しが増えてすごくいい」
昨季の終盤は8、9月の10試合中9試合でホームランを浴び続けた。ラスト9登板連続で本塁打を打たれ、その合計は15本にもなった。
一番の原因は、左肘のリリースポイントが2024年の40度より4度低くなり、シュート回転して直球の質が低下したことだった。簡潔に言えば、今永の直球は伸びる「ホップ成分」が強く、打者が見慣れたメジャー平均の直球とは異質。
しかし、それが左肘が下がったリリースになったことで、メジャーで平均的な直球に打者にはみえてしまった。それが、今永が調子を落とし、被本塁打の激増を招いた主な原因だった。
その直球の質を低下させた原因は、昨季5月の左太もも裏を痛めたこと。筋力の左右差が生まれ、フォームのバランスを崩した。オフは体力強化、筋力バランスを改善してメジャー3年目に臨んでいる。
登板後、米メディアの取材に応える今永
「プレーヤーとしてはすぐに結果が出るものが欲しかったり、相手に打たれたり、負けたりしてしまうと技術を追い求めてしまっていた。そこは大きな間違いで、フィジカルをしっかり整えて、その上積みに技術があるということを考えないと。技術(の探求)が先行してしまっては器用貧乏になってしまう。
このオフはしっかりとフィジカルを見直してきたので、そこは新たな反省と発見がありましたし、技術はまだこれからどんどん伸びると思います」
『投げる哲学者』の異名を持つ今永は考えを言語化し、課題を理解する力に長けている。そして日々の練習に落とし込むことができる。それが強みだ。
「まだ、今日の実戦だけでは手応えというのは正直ないけど、これから安定的に再現性を積み重ねていけば自信に変わってくると思うので、繰り返し反復練習を頑張っていこうと思います」
謙虚に「手応えはない」と振り返った。ただ、2イニングだけとは言え94.1マイルが出た事実は大きい。復活へ、そしてレベルアップした兆しを示すマウンドだったことは間違いない。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
yukiyamada_mlb
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