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野球 コラム 2025年12月12日

村上宗隆&岡本和真、2人の交渉も加速へ

MLBコラム by 山田 結軌
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日本メディアに対応するスコット・ボラス氏

フロリダ州オーランドでのウインターミーティングは、大砲2人の契約で一気に流れが加速した。

メッツからフリーエージェント(FA)になっていたピート・アロンソが、オリオールズと5年1億5500万ドル(約240億円)、カイル・シュワーバーがフィリーズと5年1億5000万ドル(約233億円)で合意した。

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打線の核を担う大砲が2人同時に市場から消えたことで、ポスティングでメジャー移籍を目指す村上宗隆(ヤクルト)と岡本和真(巨人)の契約交渉も水面下で具体的な進展があるはずだ。

村上の交渉期間は米東部時間12月22日午後5時(日本時間23日午前7時)までの45日間で、すでにカウントダウンに入っている。一方、岡本の交渉期限は来年1月4日(日本時間5日)までとなっているが、年越しせずに去就は決まるだろう。

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オリオールズはアロンソを一塁とDHの軸として獲得し、若い打線に実績ある右の長距離砲を加えた。フィリーズはシュワーバーとの再契約で、左のDHとチームのリーダー役を長期的に確保した。

この決断により、左の中軸+DHの枠は埋まり、村上を高額で獲得にいく動機は弱まったと考えられる。しかし、資金力があり、補強を進めるフィリーズは捕手のリアルミュートとの再契約を狙いつつ、村上をターゲットからは外していないようだ。

2人の大型契約で最も影響を受けたのはメッツだ。主砲アロンソを失い、看板となる中軸打者をどこから補うかが最大の課題。その穴を埋め得る候補として、村上と岡本の名前が改めて浮上している。

村上は左打ちの一塁、三塁兼任で、ヤンキース、メッツ、フィリーズ、レッドソックス、レンジャーズが有力な候補。三振の多さなど、スカウトからはリスクも指摘されるが、25歳の若さと潜在能力を高評価する球団は複数あるはずだ。

会場のホテルの壁面

右打者の岡本は一塁と三塁の両方で村上よりも守備力が高く、伸び代を期待されるというよりは即戦力の評価が強い。

レッドソックス、エンゼルス、ヤンキース、メッツなどが関心を示しているとされる。2人の和製スラッガーが今後、契約交渉を加速させる過程で、アロンソ、シュワーバーの大型契約は平均年俸の基準、物差しになり、好条件の契約に『追い風』になるのは確かだ。岡本の代理人を務めるスコット・ボラス氏は自信ありげに状況を語る。

「内野を守れて、しかも長打力がある選手というのは、今のFA市場にほんのわずかしかいませんから、とても価値が高い。多くの球団は岡本を三塁手として見ています。彼の守備には、多くの球団が感心しています。一部には一塁と三塁の両方で起用するイメージを持っている球団もありますが、多くの球団は三塁を優先的に考えています」

村上の交渉期限である12月22日(日本時間23日)までに、各球団は最終判断を迫られる。ここで村上を逃した球団は、年明けまで交渉が続く岡本に一気にシフトする流れが想定される。

ウインターミーティングで、アロンソ&シュワーバーが早々に移籍先を決めた今、残る超一級の長距離砲は村上と岡本になった。総合力に優れた今オフのトップFA、カイル・タッカー(カブスFA)の移籍交渉も最終段階に入っているだろう。日本の2大スラッガーが、いよいよ移籍先の絞り込みの局面に入る。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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