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野球 コラム 2025年11月28日

鈴木誠也、契約最終年でのミッション

MLBコラム by 山田 結軌
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3月のオープン戦で本塁打を放つ鈴木

カブスでメジャー4年目を終えた鈴木誠也外野手(31)は、今季ついに1年通して打線の軸を担った。151試合出場はメジャー移籍後最多で、左脇腹や右脇腹の負傷などで離脱した過去3年と比べても、シーズンを通じて大きな負傷離脱なくグラウンドに立ち続けた。そして初めて10月の戦いに進んだ。

「ポストシーズンに出られたということが、僕の中ではすごく良かった。このシリーズに出るか出ないかでは、次のシーズンに入る気持ちもやっぱり全然違う。初めての経験でしたけど、すごく楽しかったです。またここに、このプレーオフに戻ってきたい。よりワールドシーズンにも興味が出ました」

メジャーリーグ中継2025 ベストゲーム

レギュラーシーズンでは打率.245、出塁率.326、長打率.478(OPS .804)、32本塁打、103打点。打率とOPSは昨季から数字を落とした一方で、本塁打と打点はメジャー自己最多だった。

5月とレギュラーシーズン最終盤にはナ・リーグ週間MVPにも選出され、状態が上がった時の爆発力はリーグ屈指だった。前半戦の92試合で25本塁打&77打点はいずれもナ・リーグ2位タイの好成績。スランプ期間を短く、好調期間を長く、そして安定したパフォーマンスを一貫させる。それが最大のテーマだ。

「シーズン中の波は絶対つきものではあるので、それをより小さくするというのは毎年の課題。今年は自分の中でもけっこう深刻なぐらいな感じで落ちていた。立て直して、最後いい形で終われたのも自信にもなりました」

8月は1本塁打、打率.236と失速。6月の出塁率.265など打撃の調子は停滞した。レギュラーシーズンの最後は7試合連続安打、4試合連続となる5本塁打で締めた。

1月の自主トレで守備練習をする鈴木

  起用法では今季、右翼のレギュラーとしてタッカーが起用されたため、主にDHを務めた。DHで102試合、右翼32試合、左翼15試合、中堅1試合。来季は再び右翼のレギュラーとして臨むシーズンになりそうだ。

今オフにタッカーがフリーエージェント(FA)になり、地元メディアは「2026年は鈴木が右翼のレギュラーに戻り、モイセス・バレステロスら若手がDHで出場する打線が有力」と報じている。打撃で中軸を任されながら、再び外野守備でもチームを支える役割が求められる。

2022年から総額8500万ドル(約133億円)の5年契約を結んでおり、2026年は最終年を迎える。今のところ延長の交渉や合意の報道はなく、この契約が満了する2026年オフにFAとなる見込みだ。労使交渉で2027年の開幕時期が不透明な状況でFAを迎えるのは、2021年オフと同じ状況だ。

来季は外野手としての価値を証明し、メジャーで次の契約を勝ち取るための勝負の1年。出塁率と外野守備の評価をもう一段引き上げられるか。カブスにとって、誠也は2年連続のポストシーズン進出を狙うために不可欠なスラッガーであり、自身はメジャー第2章の行方を占う重要な年になる。

来季は右翼の守備と中軸打者としての好不調の差を小さくし、安定した活躍が求められる。32本塁打、103打点の好結果を一過性にせず、出塁率が上がれば、カブスとの延長契約に向けても、他球団を含めた複数年契約に向けても、大きな材料になる。

31歳から32歳に差し掛かる2026年は、キャリアの岐路。参加、不参加は不明だが開幕前にはWBC(ワールドベースボールクラシック)もある。鈴木がメジャーでどれだけ長く、どの水準でプレーを続けていくのかを決める重要なシーズンになる。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
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