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レギュラーシーズン中、投手調整する大谷
順当だった。ドジャースの大谷翔平投手(31)はナ・リーグのMVP(最優秀選手)に選出された。
エンゼルス在籍時代の2021、23年、ドジャース移籍1年目の2024年に加わる3年連続、通算4度目の栄誉だ。来季以降に歴代最多、バリー・ボンズの通算7度に並び、上回る可能性に期待を抱かせる。
「シーズンのMVPはチームとしてやってきた結果。自分がそれだけ良いシーズンを送れれば、チームが勝てるということ。最初からMVPを目標にするということはないですけど、ケガなく1年間しっかり自分の仕事をやって、何回も受賞できれば 良いんじゃないかなと思います」
受賞後の電話会見では、ボンズ超えについて問われるとそう答えた。個人タイトルのMVPを狙うのではなく、大谷が大切にしているのはチームの勝利に貢献できるかどうか。個人成績は、ワールドシリーズ制覇を目指す過程で伴うもの、という考え。いわゆる「後からついてくるもの」だ。
大谷がボンズの歴代最多受賞回数を上回る可能性は十分にある。唯一無二の二刀流である以上、健康体で継続的に出場すれば、今後もMVPレースで大谷優勢は変わらない。
もちろん、一定水準以上の成績を残すことが大前提。年齢を重ね、体力の衰えに向き合う時期がくるかもしれないが、長期離脱するような負傷がなければリーグで上位の成績を残す実力がある。それは、今までの大谷自身が証明している。
MVP記者投票、大谷は1位票で満票を獲得
「(3連覇が)難しいことはみんなが理解していることですが、勝った今だから、しっかり新たな目標を立てて進んでいくことが、チームとして大事だと思うので、難しいことですが、そこにチャレンジしていくのがドジャースの意志かなと思います」
3年連続4度目のMVP受賞は、節目であると同時に、次の挑戦への起点でもある。ボンズの記録を破るチャンスがありながら、軸にあるのはあくまでチームとしての前進だ。ドジャースは連覇を果たしたチームとして、3連覇を目指す新シーズンに臨む。
大谷は今季、投手として2度目の右肘手術から復帰を果たし、二刀流が完全に再始動した。打撃で中心を担いながら、マウンドでも勝利に直結する内容を積み上げ、再び投打両方で貢献できる存在としてチームを牽引している。二刀流を続けながら年間を通して高いパフォーマンスを保てるか。それが、今後の焦点になる。
「具体的な数字というよりは、まず1年間健康で(先発ローテーションを)回れた先にどのくらいの数字が残ったのかな、っていうそういう目標というより、楽しみな感覚の方が強い」
個人として前人未到の領域を見据えながら、チームの勝利に全力を注ぐ。その姿勢が続く限りMVPも、ボンズの記録更新も可能性を秘めている。大谷が追うのは数字ではなく勝利。その延長線上に歴史的な新記録がある。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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