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オープン戦期間の山本由伸
日本投手として初めてのサイ・ヤング賞の受賞は叶わなかった。ドジャースの山本由伸投手(27)は、ナ・リーグで3位だった。12勝、防御率2.49、173回2/3で201奪三振。エースとして胸を張れる成績だ。
一方で、パイレーツのポール・スキーンズ投手(23)は満票で受賞。10勝、防御率1.97、187回2/3で216三振でレギュラーシーズンを通じて支配力の高さを示した。
「勝つことと、満場一致で選ばれることは別物だ。とても特別だ。サイ・ヤング賞はサイ・ヤング賞。野球ファンなら誰もが知っている」
剛腕はMLBネットワークの番組に出演し喜びを語った。山本がポストシーズンで歴史的な投球を重ねたことは記憶に新しいが、同賞はレギュラーシーズンのみが評価対象。
記者投票では勝利数よりも、どれだけ相手打者を支配し、どれだけ長いイニングを投げたかが重視される傾向がある。主な判断材料は、防御率や投球回に加え、奪三振と与四球の比率(K/BB)、被本塁打の少なさなどの指標だ。
オープン戦期間の山本由伸
山本は4月、同賞について「すごく興味がある。試合に集中してベストのパフォーマンスを出していくことが、素晴らしい賞につながる」と語っていた。
今後、サイ・ヤング賞を現実的に射程に入れるための前提は、負傷なく先発ローテーションを完走すること。加えて、レギュラーシーズンではまだ経験のない中4日の解禁だ。
登板間隔の短縮も含めて投球回をさらに伸ばし、シーズンを通して支配的な内容を積み上げることが重要になる。投票対象はレギュラーシーズンのみである以上、1登板ごとの質と量の両面を継続して示し続けられるかが、スキーンズら強力なライバルを上回る決め手になる。
メジャー2年目の今季にサイ・ヤング投票でリーグ3位まで評価を高めた右腕は、米国のファン、そして投票する記者たちを確実に動かし始めている。
日本投手では2020年にダルビッシュ有(当時カブス)がナ・リーグ2位、同年に前田健太(当時ツインズ)がア・リーグ2位に入っている。サイ・ヤング賞という頂点は、由伸のメジャー3年目で十分に狙える位置にある。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
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@YamadaMLB
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