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昨年のGM会議、メディア対応するスコット・ボラス氏
山本由伸投手(27)の伝説の連投、ドジャースのワールドシリーズ(WS)連覇達成から10日。ゼネラルマネジャー(GM)会議から、フリーエージェント(FA)の選手らの移籍市場が活性化する。
両リーグの球団幹部が開催ホテルの敷地内の広場、あるいは大会議室のような場所に集合して、メディア対応が行われる。例えば、1日目はア・リーグ、2日目はナ・リーグなどのように割り振られ、2泊3日で開催される。開催地は毎年異なり、今回はネバダ州ラスベガスが会場だ。
両日、約1時間の取材可能時間がMLB機構の広報によって確保され、全米から集まる記者やテレビリポーターは、取材したいGMや編成本部長に取材することができる。GM会議の後、12月のウインターミーティングで移籍マーケットは大きく動き出す、という流れだ。
各球団の編成責任者、GM、スカウトら球団幹部に加え、大手代理人事務所の関係者も集結する。大手の代理人事務所の代表者が、日本メディアに米メディアとは別に取材対応するケースも多い。それだけ、FAマーケットでは日本選手は注目を集め、大きな話題になるからだ。
昨年のGM会議会場、サクラメントの大型ホテル
野手では巨人の岡本和真内野手(29)、ヤクルトの村上宗隆内野手(25)、投手では西武の今井達也投手(27)、高橋光成投手(28)がポスティングシステムを利用して今オフのメジャー挑戦を表明している。
楽天の則本昂大投手(34)は海外FA権を行使する。日本を代表する左右のスラッガーは、すでに米球界で多くの注目を集めている。投手では、今井が高評価。“第2の山本由伸”を狙うべく、総額200億円前後の契約が予想されている。
さらにカブスの今永昇太投手(32)は、選手と球団双方にある契約延長権をそれぞれが行使せず、FAになっている。イニングを計算できる実績ある左腕の評価も高く、需要も高そうだ。
今年のFA市場は投手、野手ともに日本人選手が大きな焦点を占めている。特に山本のメジャー1、2年での成功が、次の挑戦者たちへの評価を押し上げたといえるだろう。ドジャースでの年間通しての安定した投球、そしてポストシーズンでの伝説的な登板が米球界で「日本投手の再評価」を生んだといえる。
今オフのFA市場では、日本人選手が例年以上に注目を集めている。ドジャースの山本がメジャー2年目で圧倒的な存在感を示し、ワールドシリーズでの伝説的な連投で真価を証明した。防御率2点台でシーズンを終え、大きく貢献した。
2年前の冬にMLB史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約494億円)の契約を結んだ投手が、その期待通りか、あるいはそれ以上の成績を残した。日本のトップ投手はすぐにローテーションの柱になれるという認識が、米球界では、もはや定説となりつつある。
今井は27歳で長期契約のオファーが出る可能性がある。特にナ・リーグ中地区や西地区の球団では、先発陣の補強を最優先課題とする動きがある。村上と岡本も中軸を打てる強打者として高く評価されている。
特に村上は守備にやや難があるが、25歳の若さと長打力が魅力。岡本は、守備力の安定とパワーを兼ね備えた選手として認知されている。この冬のストーブリーグは、ここ数年で最も日本人選手の名前が飛び交う市場になるかもしれない。
歴代の日本選手たちの成功の流れを次に誰が引き継ぐのか。ラスベガスの乾いた空気の中で運命が動き出す。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
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