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地区シリーズ期間、キャッチボールする佐々木
才能を開花させ、飛躍を期す準備はできた。ドジャースの佐々木朗希投手(24)は世界一メンバーの一員としてメジャー1年目を終えた。
右肩を痛め、5月上旬から、約3カ月半の離脱。9月の終わりに復帰した際には、リリーフ投手としてブルペン待機した。ワールドシリーズ(WS)第7戦、伝説の連投でMVPに輝いた山本由伸投手(27)。仮に延長11回で決着がつかなかった場合、佐々木が山本の後を受けたかもしれない。
「まずホッとしています。ブルペンで肩を作っていたので、めちゃくちゃ緊張していたんですけど、本当に勝ってよかったです」
トロントからロサンゼルスに戻り、優勝パレードに参加した11月3日は24歳の誕生日。最高の流れで新たな年齢を迎えた。終わりよければ、すべてよし、というわけではないが、シーズンの大半で苦しんだ佐々木としてはチームの連覇に貢献した手応えを感じながら、シーズンを終えられたのではないだろうか。
「悔しいシーズンになりましたけど、ポストシーズンで投げることができて、すごく自分にとっていい経験になりましたし、チームがワールドチャンピオンになって、チームとしても素晴らしい展開だったと思います」
右肩の負傷から復帰前は8先発で1勝1敗、防御率4.72だった。しかし、リハビリ登板をしていたマイナー3Aで、リリーフに配置転向されてから、投球内容は一気に向上した。ポストシーズンでは9試合(10回2/3)を投げ、3セーブ、防御率0.84の好成績を挙げた。実質的にクローザーの役割を担った。
会見での佐々木
WSでは第3、6戦で登板し、無失点だった。ポストシーズンで9試合中、失点は1試合だけ。ナ・リーグ優勝決定シリーズの第1戦、ブルワーズ戦で2/3回で2四球、1安打、1失点したのみだった。
本望は先発投手の一角として、レギュラーシーズンとポストシーズンで活躍、貢献すること。右肩を負傷して、リハビリのままシーズンを終える可能性もあったはずだ。リリーフとして、最高峰の舞台を経験したことは大きな財産だ。
中継ぎ投手陣が、いかなる状況にも対応する姿を間近でみた。チームの一体感、緊張感にも触れた。一戦必勝のポストシーズンで投げる責任も背負った。しかも、守護神として。来季、先発に再挑戦する右腕にはどれもかけがえのない瞬間だ。
「シーズンも貢献できるように、またワールドチャンピオンになれるように頑張ります」
メジャー2年目、2026年は先発ローテをつかむ。大谷翔平投手(31)、山本、グラスノー、スネルの4人は負傷がなければ、実力と実績で確定だ。残る先発枠は1~2枠。
シーハン、カスパリアス、ナック、ミラーら、若手のライバルは多い。才能と潜在能力は、周囲も認めている。佐々木が先発投手として成長し、覚醒すればドジャースのWS3連覇が近づくことは間違いない。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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