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山本由伸(ドジャース)
現地10月29日(日本時間30日)に『ドジャー・スタジアム』で行われたワールドシリーズ第5戦は、ブルージェイズが6-1でドジャースに完勝し、シリーズの成績を3勝2敗として、1993年以来となるWS制覇に王手をかけた。
これでシリーズはトロントの『ロジャース・センター』へと舞台を移すことなり、崖っぷちに追い詰められたドジャースは、連覇へ向け敵地での連勝が必要となった。
◆試合結果
ブルージェイズ|2 0 0 1 0 0 2 1 0|6
ドジャース |0 0 1 0 0 0 0 0 0|1
歴史的に見て、これまでドジャースと同様に、絶体絶命の状況から形勢を逆転させることに成功した事例もないわけではないが、『MLB.com』によると、「4戦先勝のポストシーズンシリーズで、2勝2敗のタイから第5戦で勝利したチームは、これまで68回中46回(67.6%)そのシリーズを制している」。
そして、「現行の2-3-2形式では、これまで敵地での第5戦で勝利し、第6戦と第7戦を前に3勝2敗として本拠地へ戻ったチームは、27回中20回(74.1%)そのシリーズを制している」とのことで、ディフェンディングチャンピオンの前に立ちはだかる壁は、非常に高いと言わざるを得ない。
今季のシリーズを振り返ると、これまでのところドジャースの主な敗因は、やはりこのポストシーズンを通じて懸念点とされてきたブルペンの脆弱性に依るところが大きく、先発投手が無双レベルのピッチングを披露しない限り、有利に試合を運べない状況が続いている。
延長18回の末に勝利した第3戦では、救援投手陣が相手のスコアボードに『0』を並べることに成功したとはいえ、ブルージェイズは試合が進むにつれ、ジョージ・スプリンガー、アレハンドロ・カーク、ボー・ビシェット、アディソン・バージャーと言った強打者を負傷退場や、代走などによりベンチに下げており、ドジャースのブルペンが一線級のブルージェイズ打線と対峙したわけではなかったことは、覚えておくべきだろう。
この点を考慮すると、ドジャースにとってエリミネーションゲームとなる運命の第6戦は、目下ポストシーズン2試合連続完投中の山本由伸が、直近2試合と同等のパフォーマンスを披露しない限り、厳しいシチュエーションに直面するであろうことは言うをまたない。
捕手のウィル・スミスは第5戦を終え、「僕は今年、何度も窮地に立たされてきた。ケガと戦ったり、期待と戦ったり、色々とあった。このチームはタフな集団であり、あと2試合勝利することに問題はない」と述べている。
果たして山本とスミスのバッテリーは、再びブルージェイズ打線を沈黙させ、第7戦を強いることはできるのか。仮に、そうなった上で、ドジャースがWS連覇を遂げたとしたら、山本はシリーズMVPの最有力候補となるだろう。
J SPORTS 編集部
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