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野球 コラム 2025年10月27日

大谷翔平、「今」に集中するシンプル思考

MLBコラム by 山田 結軌
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レギュラーシーズン中、調整する大谷

先を見過ぎず、終わったことを振り返らない。戦っているときは、目の前に集中する。シンプルだが、決して簡単なことではない。ドジャースの大谷翔平投手(31)は26日(日本時間27日)、ワールドシリーズ第3戦前日の公式練習に参加。会見に臨み、一戦必勝の心構えを強調した。

「もう終わったことは切り替えて、というか。もう(今から)3戦先取のホーム開幕だと思って、臨めばいいんじゃないかな、と思っています」

1勝1敗でホーム、ロサンゼルスに戻った。その心境を問われるとそう答えた。昨季、パドレスとの地区シリーズで1勝2敗(3敗で敗退)と後がなくなった状況でも似たコメントをしている。

「シンプルに2勝することだけを考える」

その後は、宣言通りに逆転で地区シリーズを突破。ワールドシリーズ制覇まで勝ち抜いたのはご存じのとおりだ。大谷にある今に集中する、という意識。もちろん、反省もするし、分析もする。先を見据えて対策も立てる。だからこそ、戦っている瞬間、瞬間の今に全力を注ぐことができる。

「去年は肩のケガもあって、なかなかシリーズ自体に全力で集中できる状況ではなかったので、そういう意味では、大きく違うと思いますし、肘の状況も含めて健康体でプレーできることに日々、感謝したいですし、ここまで最後まで残ってワールドシリーズを戦えていることにまず感謝したいなと思っています」

キャッチボールで調整する大谷

昨季はワールドシリーズ第2戦で二盗を試み、スライディングをした際に左手を地面に突き、左肩を亜脱臼した。シーズン後には手術をしなければならず、決して軽傷ではなかった。

1年後、投手としても打者としても全力を尽くすことができる体調が整っている。1年前はDH専念で挑んだワールドシリーズ。今回は初めて投手として世界一をかけたマウンドで投げることができる。二刀流として自分のすべてを懸けることができる。だからこそ「感謝」の言葉を繰り返した。

「大前提として、自分がしっかりとしたパフォーマンスというか、自分の持っているものの中で高いパフォーマンスをまず出せる、という状況を作るのが最優先かなと思います」

ブルージェイズの強力打線の分析、配球プランなどの作戦は確かにある。ただ、それ以上に大事なことは自分の実力を悔いなく発揮すること。今どうすべきかを全力で考え、自分ができることを100%する。

MLB公式サイトによればワールドシリーズで本拠地のチーム(ドジャース)が2勝1敗とリードした場合、過去48回中29回(60.4%)、王者になっている。敵地で2勝1敗としたチーム(ブルージェイズ)は、41回中31回(75.7%)が世界一になるというデータがある。

ホームのドジャースとしても、ビジターのブルージェイズとしても、第3戦の勝敗は勢いやチーム全体の空気、流れに大きく影響を与えることは間違いない。大谷は、新たな「ホーム開幕」として挑み、あと3勝を目指す。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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