山本由伸、ブルージェイズの心を引き裂く完投勝利

山本由伸（ドジャース）

山本ドジャースのエース右腕がまたもポストシーズンの歴史に残る圧巻の投球を披露した。山本由伸は現地10月25日（日本時間26日）、敵地『ロジャース・センター』でのワールドシリーズ第2戦に先発登板。

前日ドジャース投手陣に対し、11得点を挙げるなど、このポストシーズンは烈火の如き勢いを見せているブルージェイズ打線に対し、9回4安打1失点、8奪三振無四球と無双投球で完投し、シリーズ初戦を落としていたチームに大きな勝利をもたらした。

これで山本は前回登板したナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ第2戦から続き、ポストシーズン2試合連続での完投勝利となったが、MLBでポストシーズン2試合連続完投を果たしたのは、2001年のカート・シリング（ダイヤモンドバックス）以来であり、ドジャースの投手としては、1988年のオーレル・ハーシュハイザー以来の快挙となった。

◆試合結果
ドジャース　　｜1 0 0 0 0 0 2 2 0｜5
ブルージェイズ｜0 0 1 0 0 0 0 0 0｜1

アメリカ全国紙『USAトゥデイ』は試合後、電子版に「ヨシノブ・ヤマモトが伝説的なワールドシリーズの試合で、ブルージェイズの心を引き裂いた」と題したボブ・ナイチンゲール記者の記事を掲載。

その冒頭で、「ブルージェイズファンは、FAで彼らを袖にした日本人選手に、間違ったブーイングを送ったり嘲ったりすることで、時間を無駄にしていたようだ」と前置き。

「ショウヘイ・オオタニのことなど忘れろ」と、前日の試合でブルージェイズファンが盛大にブーイングした二刀流スターを引き合いに出した上で、「ブルージェイズによる32年ぶりのワールドシリーズ制覇の夢を台無しにしているのは、ロサンゼルス・ドジャースのエースであるヨシノブ・ヤマモトの方だった」と伝えた。

続けて記事では、この日圧巻の投球を見せた右腕のパフォーマンスについて、「ヤマモトはブルージェイズの超強力打線を粉砕し、ドジャースが5-1でブルージェイズに勝利した土曜の夜に、4安打完投でポストシーズンの歴史にその名を刻んだ」と伝えている。

さらに同記者は、前述したシリング以来の快挙について触れつつ、「少なくともワールドシリーズの試合を含むポストシーズンでの連続完投は、殿堂入りしたトム・グラビンがアトランで達成した1992年以来」とし、山本による完投と比較し、「今回はさらに良かった」と評した。

また、記事では右腕が最後の20打者を連続して打ち取ったことから、捕手のウィル・スミスによる試合後の「いつも通り、彼には大きな期待を寄せているけれど、とにかく彼はファイターなんだ。彼は初球ストライクを投げる」。

「（カウントで）先行するんだ。彼の球種はエグいしね。打者にとっては本当に打ちにくい投球なんだ」とのコメントを引用した上で、山本は打者が安打とするのを「事実上不可能にした」と論じている。