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野球 コラム 2025年10月20日

次はノーノー&サイクルヒット?!大谷翔平の二刀流

MLBコラム by 山田 結軌
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地区シリーズ突破時、取材対応する大谷

当たり前のようにやっているが、当たり前ではない。この「すごさ」に慣れてしまったのかもしれない。しかし、慣れるべきことではない。

もう何度、伝説の日を作り、歴史的偉業を打ち立ててきたのか。10月17日、ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、ドジャースタジアムでのブルワーズ戦。大谷翔平投手(31)は先発して、6回0/3で100球を投げ、2安打無失点、10三振。打撃では先頭打者本塁打や場外弾を含む3本塁打。二刀流として勝利の立役者になり、シリーズMVP(最優秀選手賞)を獲得した。

「(投球も打撃も)どちらも最高の気分で、声援が力になりました。本当に(チームの)みんなを代表してこれをもらっていると思っているので、本当あと(ワールドシリーズ)4つ全力で勝ちにいきたいなと思います」

昨季は、2度目の右肘手術からのリハビリ過程だったため、初めてのポストシーズン出場はDH専任だった。投手として臨むポストシーズンは、今季が初めて。

勝利投手になり、3本塁打。しかも1本は右翼スタンドの屋根に当てる特大の一発だった。ドジャースタジアムでは、屋根にダイレクトで当たったアーチは「場外本塁打の認定」がされる。人々に強烈すぎるインパクトを残した1日だった。

第3戦前には、公式会見で投手を続けることで、打撃成績に悪影響が出ているのか。調整にはどのような難しさがあるか。昨季、DHに専念したことで二刀流調整のブランクを感じているか。そのような趣旨の質問が、米メディアから飛んだ。

二刀流継続に懐疑的な空気を吹き飛ばすような大活躍。唯一無二の二刀流選手としての価値を示し、評価をさらに高め、才能を再認知させ、そして二刀流継続の意思を表現したような試合だった。

地区シリーズ期間中、練習する大谷

「一番はやっぱり今日は登板の日なので、しっかりと先発ピッチャーの役割をまず一つこなしたいなという気持ちで入りました。3本打ちましたけど、どちらかというとやっぱりディフェンス面での、マウンドでのパフォーマンスを重視して試合には入っている」

野球の競技特性上、先発投手が勝敗に関わる割合は大きい。大谷の場合は登板間隔を十分に開けてローテーションを組まれている。負傷の再発を防ぎ、打者と両立するための運動量をコントロールしながら、登板を迎える。

それだけに「まず投手としての役割」を優先する心構えで挑んだ一戦だった。結果的にワールドシリーズ進出をスイープ(4連勝)で決めた試合で大谷翔平が、大谷翔平たるゆえんを改めて見せられた夜だった。

「これからまた(映像やデータを)見返して良いところ、悪いところ探したいなと思っていますし、全体的に出来すぎだったのかなと思っています」

浮かれることなく、気を引き締めて、次なるステージに臨む決意を示した。昨季のワールドシリーズ制覇のシャンパンファイトでは、フリードマン編成本部長に「あと9回やろう」と伝えた。

大谷は2024年からドジャースと10年契約。この契約期間内は、すべてチャンピオンになりたい、と本気で思っている。周囲が驚く二刀流の活躍も、チームの勝利を最優先したからこそ。

史上初の「3本塁打・10奪三振」を上回るとんでもないことをやるかもしれない。例えば、「ノーヒットノーランとサイクルヒット」の同時達成?!

大谷翔平なら、そんなの不可能だ、とは断言できないのではないだろうか。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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