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練習中にキャッチボールで調整する佐々木
瞬く間に最終回を任される大きな存在になった。ドジャースの佐々木朗希投手(23)は9月下旬にリリーフとしてメジャー復帰。
ポストシーズンでは、頼もしさが増している。3セーブを挙げ、ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦、5-1の9回では1安打されながらも無失点で抑え、ドジャースの2年連続ワールドシリーズ進出を決めた。
「試合の中では回が後半になるまで、なるべくリラックスして試合を見るようにしている。(先発投手が)完投してくれないかな、と願いながら見ています(笑)」
第3戦の後にはそう語り、本音もチラリ。好結果を残しているが、決してチームの勝敗を背負う大きなプレッシャーでのマウンドを好んでいるわけではない。
それでも23歳のルーキーの右腕は、ポストシーズンでは7試合で8イニングを投げ、3安打1失点。
唯一、崩れたのは10月13日のNLCS第1戦で2四球、1安打、1失点したときのみだ。その他のマウンドでは、安定した投球内容で試合を締めている。ミルウォーキーでの不調から、何を修正したのか。
地区シリーズ期間中に会見する佐々木
「全体的に動きが速くなっていたので、とにかくゆっくり、自分の感覚ではゆっくり動かすというか、足を上げるところから自分が思ってるよりも、ゆっくり丁寧にやることだけを意識しました」
投手コーチらと結果と内容が伴わなかった原因を分析。冷静に技術的な乱れを見直した。自らの力で好結果を積み重ねることで自信も備わってきた。ワールドシリーズを迎える前に心強いメンタルになりつつある。
「メジャーが開幕してから、特にドジャースタジアムでなかなか思うようなピッチングができない中で、いいイメージがこの球場にはそんなになかった。リリーフで復帰して自分のパフォーマンスを出せるようになってから、徐々に見える景色も変わってきている」
佐々木がマウンドに上がれば、ドジャースファンからは「ローキ!ローキ!」とコールが巻き起こる。強力な先発陣の一方でリリーフ投手が弱点とされていた。固定されたクローザーが不在。そこで朗希は急造リリーフながら、クローザーとして勝利を締めくくる救世主だ。
「先発の時もそうですけど、毎回自分の思うようなパフォーマンスが出せるわけではないと思うし、良い悪いの波はあると思う。その中でアウト3つをどう取るか考えないといけない。良いフォームで調整して、少しでも自分のボールをコントロールできるようにしていきたい」
右肩の負傷でメジャー1年目の多くをリハビリで費やした。しかし、復帰してからは本来の先発ではないものの、リリーフとして重要な役割を果たしている。23歳で名門、かつ常勝球団の守護神を任される重圧は計り知れない。
ドジャースは24日(日本時間25日)開幕のワールドシリーズまで6日間、実戦から遠ざかる。十分な休養を取り、連覇に挑む。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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