人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

野球 コラム 2025年10月16日

大谷翔平が「無関係」と強調すること

MLBコラム by 山田 結軌
  • Line

グラブを手に打撃の構えをする大谷

断固、否定する。この手の質問は、今季もう何度も受けてきた。

「投手をやること、二刀流を続けることが、打撃成績に悪影響することはあるか?」

ドジャースの大谷翔平投手(31)は、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第3戦の前日、15日(日本時間16日)に会見に臨んだ。米メディアからは、その類の質問が3問。一貫して、投手をやることと打撃の不振に関連がないことを伝えた。

「うーん、去年が逆に言えばあまり(自身の野球人生で)サンプル的に少ないDHだけで臨んでいるシーズンではあったので、比較は単純にはできないですけど」

そう前置きしながら、投手での負担増は認めている。

「もちろんね、(投手を)やらないより、やっている方が体力的にきついのはシーズン中も同じことではあるので。それが直接的に(打撃成績に)関係しているかどうかは、分からないですし、体感的にはそうではないかなとは思っています」

ドジャースタジアムで練習に向かう大谷

地区シリーズ(NLDS)では18打数1安打9三振。NLCS第2戦で右前適時打を放つまで19打席連続ノーヒットだった。だからこそ、打撃について質問が多くなった。

「基本的には打撃に関しては、やっぱり自分の思っている構え方であったりとか、技術的な部分がしっかりしていないと結果に結びつくのは難しい作業ではある。

ピッチングは、自分がやれることをしっかりやれば、いい結果が生まれてくる可能性が高いところではあるので、あんまり(登板が打席成績に)関係はないのかなとは思っています」

現状、大谷がメジャーのレベルで二刀流としてプレーできる唯一無二の選手だ。世界の才能が集まる米球界では、アマチュア時代は二刀流で活躍した選手も多い。そんな選手たちが、一刀流に絞り、トレーニングや練習を積み、技術を磨かなければいけない。それがMLBの厳しさだ。

もはや、当たり前であり、当然のように感じてしまう大谷が二刀流を続けている事実だが、そうではない。注目度の高くなるポストシーズンだからこそ、先発登板と打撃成績の関連がとりわけ、フォーカスされるのかもしれない。

ただ、大谷自身はキャリアのほとんどを二刀流で過ごしてきた。投げて、打つ。それこそが「本来のリズム」と信じている。日本のプロ野球でも、メジャー移籍後も二刀流に懐疑的な声はあった。それを結果で黙らせてきた。

2度目の右肘手術、30歳を超えた年齢。そして、投手・大谷として挑む初めてのポストシーズン。打撃成績が悪ければ、そこに“ツッコミ”が入るのも無理はない。主力選手の宿命でもある。

昨季はリハビリ期間で二刀流の完全復活は今季から。二刀流のブランクがあるから、打撃を含めた調整が難しくなっているのか? その問いも否定した。

「うーん、どうなんですかね。あまり関係はないのかなとは体感では思っている。シーズンの後半もスケジュール通りにきて、打席もそれなりの感覚では送れてはいたので。あまり関係はないのかなとは感じています」

NLCSの初先発は17日(日本時間18日)。マウンドと打席で勝利に導く活躍を期す。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ