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野球 コラム 2025年10月15日

山本由伸、悔しい日から5日後、大舞台で無双

MLBコラム by 山田 結軌
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9月某日、ブルペン投球する山本

5日前、10月9日。ドジャースはフィリーズに3勝1敗で勝利し、地区シリーズ突破を決めた。試合後、ドジャースタジアムのクラブハウスに隣接する室内練習場で、シャンパンファイトの祝杯を上げていた。

日本選手でいち早く、その会場を去ったのが山本由伸投手(27)だった。前日8日の第3戦では4回6安打3失点で敗戦投手になっていた。エースとして、手放しで喜ぶ気持ちになれなかったのかもしれない。

メディアのシャンパンファイト取材への入場が許されたとほぼ同時にビニールシートで仕切られた祝宴会場から、引き上げた。そのとき、すでにリベンジを誓っていたのかもしれない。

「信頼してもらえたり、任せてもらえるのは選手としてうれしいし、ますます頑張りたいと思う。きょうは信頼してくれて、そのイニングを結果で返せたのでよかった」

練習から引き上げる山本と園田通訳

14日のナ・リーグ優勝決定シリーズ第2試合。敵地ミルウォーキーでのブルワーズ戦では、111球で9回完投勝利。1回先頭のチューリオに1球目を本塁打にされるが、連勝に導いた。結果的に5-1で勝利したが、中盤まではリードは僅差の緊迫したゲーム展開だった。

「初回に打たれたのをすぐに取り返してもらって同点になったので、とにかく集中して投げないといけないと思った。リードしてもらえてその点差を守ることに集中して投げた」

昨季、12年総額3億2500万ドル(約491億円)の超大型契約を結んだ真価を発揮した。

ドジャースは第1戦の先発、スネルが8回1安打無失点の好投で先勝。由伸が2連勝に大きく貢献。試合後は、深夜のチャーター機でロサンゼルスに飛んだ。

現行の7回戦制のポストシーズンでは、2連勝したチームが、勝利する確率は83.9%(93度のうち、78度)。さらに敵地での2連勝の場合は、88.9%まで上昇する(27度のうち、24度)。

大谷翔平選手(31)にも20打席ぶりに安打が出た。そして、完投勝利でリリーフ投手の消耗を防ぐことができた。ドジャースは最高の雰囲気でホームの第3戦以降に臨むことができる。

「きょうの試合でも自分の成長はすごく感じた。初回だったり反省するところもあったが、きょうのような大切な試合を勝っていくことで、自分の成長につながればいいと思う」

昨今、ポストシーズンの主流になっている先発投手が早めに交代し、リリーフ投手をつなぐ戦術とは真逆の完投劇。ただの1勝以上の価値のある白星をもたらした。「由伸無双」が続けば、2年連続のワールドシリーズ進出、そして連覇に近づく。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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