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ポストシーズン勝ち上がり
タイガースのタリク・スクーバルはMLB現役最高投手であるという意見に異論を挟む人は、そう多くないだろう。
そして、その最高の投手が、2年連続でアメリカンリーグディビジョンシリーズの第5戦で先発登板しようとしている。しかも今回の相手は、自分の天敵とも言えるマリナーズだ。
スクーバルは今季レギュラーシーズンにおいて、31試合に先発登板し、13勝6敗、防御率2.21、241奪三振と圧巻の成績を残しており、既に今季ア・リーグのサイ・ヤング賞を確定させているといっても過言ではない。
だが、どういうわけかマリナーズには勝てておらず、レギュラーシーズンでは2試合に先発登板し、合計10回2/3を投げ、10安打7失点で0勝2敗としている。
シアトルでのディビジョンシリーズ第2戦で先発登板した際も、スクーバル自身は7回5安打2失点、9奪三振1四球と快投するも、試合はマリナーズが3-2で制し、スクーバルの登板試合で、シリーズを1勝1敗のイーブンに戻すことに成功している。
先発ローテーションの総合力で、マリナーズに劣るタイガースとしては、2勝2敗としてスクーバルの投げる第5戦で雌雄を決するという、正に望み通りのシナリオを描くことができたわけだが、そのスクーバルとマリナーズの対戦成績は、この勝者総取りの一戦へ向けたストーリーラインを興味深くするスパイスとして、妙味を利かせている。
実際、この第5戦を前にマリナーズを率いるダン・ウィルソン監督は、「我々はこれまでを通して、スクーバルを攻略できてきたし、金曜には再びそのチャンスが得られるんだ」と不敵なコメントを述べている。
一方、スクーバルは、「競争とはこのことに他ならない。この(決着をつける試合)ために、野球をプレーしているんだ。この競争が、それに関わる全員のベストを引き出すのだし、だからこそ、このゲームはこんなにも美しんだ。僕らは金曜にそれを経験することになる」と、第5戦に向けた抱負を語っている。
なお、スクーバルはガーディアンズと対戦した昨季のディビジョンシリーズ第5戦で満塁本塁打を喫して敗れているだけに、『Tモバイル・パーク』では相当な意気込みで先発マウンドに上がることになるだろう。
そんなスクーバルについて、タイガースのAJ・ヒンチ監督は、「我々は共に勝ち、共に負けるのだが、彼は我々を先導しているんだ」と述べている。
ブルージェイズの待つア・リーグチャンピオンシップシリーズに駒を進めるのは、1年越しのリベンジを期す絶対的エースを擁するタイガースか、あるいはその天敵とも言えるマリナーズか。どちらがシーズンを継続させるにせよ、この第5戦は、白熱の好勝負の予感しかいない。
J SPORTS 編集部
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