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野球 コラム 2025年10月8日

松井裕樹、メジャー2年目を終えて

MLBコラム by 山田 結軌
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松井は登録メンバーを外れたがチームに帯同した

悔しさの残るメジャー2年目だった。パドレスの松井裕樹投手(29)はカブスとのワイルドカードシリーズが行われたシカゴで、2025年の最終戦を迎えた。

出場登録メンバーは外れていた。捕手のディアスが負傷でメンバー外になった影響で捕手を3人制にしなければいけないチーム事情もあり、ブルペンの人員から外れた。

「もちろん、ポストシーズンでマウンドに上げてもらえるように(来年は)シーズンを過ごしたい。そういうシーズンにしたいです」

来季、3年目への目標を問われ、そう答えた。メジャー1年目の2024年は64試合(62回2/3)を投げ、防御率3.73、今季は61試合(63回1/3)で同3.98だった。2年連続で60試合登板を果たした。

シーズンを通して投げれば、決して体調が万全ではない時期もあったはず。離脱せず、負傷者リスト(IL)に入らず、完走したことはたたえられるべきだ。しかし。

「けがなくやるっていうのは難しいとは思うんですけど、僕の目指しているところはそこじゃないので」

勝利パターンの継投を担い、チームの信頼を高める。楽天時代はで234セーブを挙げ、日本を代表するクローザーだった。しかし、今季はビハインドの展開、回またぎ、そして複数イニングと役割はさまざまだった。

もちろん、どの登板もチームへの貢献につながる。だが、今季とは異なる場面でマウンドに上がりたい。成長し、勝ちパターンのリリーフを目指す。目標にすべきメジャートップクラスの投手陣が近くにいた。

パドレスの練習中、外野で打球を追う松井

「1年間やったら70試合ぐらい(登板する)。うちの勝ちパターンを見たら分かる。ああいう数字。本当に世界一のブルペン陣だと思う。みんなと近くでやれたのはすごいくい経験になりましたし、どういう抑え方をしているのかたくさん見られた。それは本当にいい時間でした」

守護神のスアレスは40セーブ、左腕のモレホンは75試合で13勝、エストラーダはチーム最多の77試合、アダムは左膝の負傷がありながら65試合、途中加入したミラーは7月のトレードでパドレスに加入して以降、22試合で防御率0.77と無双した。

「その中に割って入るのはとても難しいですけど、そこにトライできるのは本当にやりがいがあると思う。なんとかいい形で来シーズンをスタートしたいです」

僅差で投げる投手のパワーと変化球の精度、タフさ、メンタル。ブルペンでともに過ごし、学び、来季以降へのモチベーションに変える。

パドレスの投手陣は例年、シーズンが終わるとサンディエゴ近郊の施設で投球データを計測する。改良すべき変化球や投球スタイルの方向性などをコーチ陣と意見をすり合わせ、レベルアップの“目的地”を決める。

「いかに平均的にパフォーマンスを上げていくか。それを考えていきたい」

飛躍のメジャー3年目を見据え、松井の挑戦はオフも続く。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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