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山本由伸(ドジャース)
ナショナルリーグのディビジョンシリーズはやや変則的な日程となっており、第2戦は現地10月4日に行われた初戦から1日おいた現地6日(日本時間7日)に開催される。
そして、フィリーズとドジャースが対戦しているシリーズにおいて、この日程の恩恵を受ける度合いがより高いのは、最初の2戦を敵地で戦うドジャースの方と言えるだろう。
と言うのも、ワイルドカードシリーズを戦ったドジャースは、この1日の猶予により、同シリーズの第1戦で先発登板したブレイク・スネルを中4日ではなく、中5日と、通常通りの登板間隔で起用することが可能となったのである。
そうなると、俄然興味が増すのは、誰がフィリーズとの第2戦でスネルとバッテリーを組むスタメン捕手となるのか、という点である。
ドジャースは9月初旬以降、レギュラー捕手のウィル・スミスが負傷者リスト入りしたことから、夏場のトレードで獲得したベン・ロートベッドをスタメン捕手として起用してきた。
その状況はポストシーズンでも変わっていなかったが、ディビジョンシリーズ第1戦では、スミスが5回にロートベットの代打として出場し、その後は試合終了までマスクを被っている。
確かに打者として比較すると、スミスはレギュラーシーズンにOPS .901と、捕手としてはエリート級と言える数字を残しているのに対し、ロートベッドはOPS .636と凡庸な数字に留まっており、スミスがラインナップに復帰することにより、ドジャース打線の火力が格段に上がることに疑いの余地はない。
しかし、ロートベッドがスタメン捕手として定着した現地9月6日のオリオールズ戦以降、ポストシーズンでの3試合を含め、ドジャースは18勝6敗と、破竹に近い勢いを維持していることも、また事実なのである。
『MLB.com』でドジャースを担当するソニア・チェン記者は、現地5日付で「賛否両論:スミスは第2戦でスタメンに復帰できるのか?」と題した記事を投稿し、この件についての見解を明らかにしている。
同記者はスミスがスタメン復帰する良い点として、やはり打線の攻撃力アップを挙げており、「スミスの成績は例年、シーズン後半に低下する傾向にあった。今年は、ルーキーにダルトン・ラッシングが、週2試合程度捕手を務めたことで、ドジャースはシーズン終盤までスミスのコンディションを維持することができた」と指摘。
だが、「とは言え、彼は8月にかなりのスランプ(打率.159/出塁率.326/長打率.304)に陥っている」と懸念点も示している。
スミス復帰の悪い点として、同記者はロートベッドとドジャース先発ローテーションの相性の良さを挙げている。
これについては、「ロートベッドは特に先発ローテーションを巧みに操った」とした上で、「彼が9月6日に正捕手となって以降、ポストシーズンでの3試合を含む24試合で、ドジャースの先発投手は防御率を1.64としている」と指摘。
しかし、ブルペンは様相が異なるとし、「(ブルペンの)問題は彼がロサンゼルスにやって来る前からあった」と前置きした上で、「この(ロートベッドが正捕手となった)期間のリリーバーによる防御率は4.98と、今年1年を通した防御率4.29から僅かに悪化している」とした。
上記を踏まえた上で、同記者は「こうした賛否両論と、1ヶ月近く戦線離脱していたスミスを徐々にフル出場への復帰へ近づける方が有益であるかもしれない事実とを合わせると、ドジャースはこの状況に対して、第1戦と同じようなアプローチを採るのではあるまいか」とした。
つまり、「ロートベッドを捕手としてスタメンで起用しつつ、頃合いを見計らってスミスを代打で送り込み、捕手として試合に出場させ続けるのである」と結論づけている。
J SPORTS 編集部
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