【横浜好き】ベイスターズでアマチュア最高峰『都市対抗野球大会』に出場経験がある選手を調べてみた

竹田祐（ベイスターズ）

アマチュア野球の夏の風物詩である都市対抗野球は、王子（東海第6代表／春日井市）の21年ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。高校、大学だけでなく、社会人野球からプロ入りする選手も少なくないですが、ベイスターズにもこの『アマチュア最高峰の一発勝負』に出場経験のある選手が多くいます。

まずは最新の出場選手から。ドラフト1位ルーキーの竹田祐は、三菱重工Westで3度の出場を果たしています。2022、23年はいずれも先発して、1回戦敗退となってしまいましたが、2024年には初戦の王子戦で完投勝利を挙げ、チームはベスト8進出を果たしています。

ドラフト上位入団組では、2022年ドラフト2位の吉野光樹が、トヨタ自動車で在籍中にチームは2度出場していますが、吉野の登板は2022年の1試合のみ。初戦の日本製鉄かずさマジック戦に先発し、4イニングを無安打無失点、7奪三振と好投しましたが、右足の痙攣で途中降板となってしまいました。その後は登板がありませんでしたが、チームは5年ぶり6度目の優勝を果たしています。

その他の投手では、大貫晋一が新日鐵住金鹿島で2度の出場。2018年の初戦、日本新薬戦で9回を投げて被安打6、2失点、11奪三振で完投勝利をマークしています。持ち味の制球力と多彩な変化球は当時から評判の投手で、同年のドラフト3位でベイスターズに入団しています。

リリーフ陣では、当時新日鐵住金広畑の森原康平が、日本新薬の補強選手として2016年に出場。初戦のHonda熊本戦で自己最速となる151キロを計時するなど、リリーフとして2試合に登板しましたが、ベスト4進出をかけた東京ガス戦では負け投手となってしまいました。

さらにもう1人、8月28日の阪神戦で今季初勝利をマークした森唯斗も、三菱自動車倉敷オーシャンズから、伯和ビクトリーズの補強選手として2013年に出場を果たしています。初戦のTDK戦に2番手として登板した森唯は、2イニングを投げて被安打0の無失点と好投しましたが、チームは0-2で完封負けを喫しています。

野手では、宮崎敏郎がセガサミーで2度の出場を果たしています。初出場となった2011年は4打数1安打で初戦敗退に終わりましたが、2度目の出場となった2012年は、初戦の日本通運戦で逆転満塁本塁打を放ち、チーム3年ぶりとなる勝利に貢献しています。

捕手の戸柱恭孝は、NTT西日本時代に2度の出場。2014年は大阪ガスの補強選手として全4試合にスタメン出場（1試合はDH）し、2回戦のJR東日本東北戦では本塁打を放つなど、4試合で14打数5安打の打率.357、1本塁打、4打点の活躍でチームのベスト8進出に貢献。捕手の優秀選手賞を受賞しました。2015年は自チームでの出場で、自身2年連続となるベスト8進出を果たしています。

外野手では神里和毅が日本生命で2度の出場。いずれも初戦敗退でしたが、2大会の通算成績は7打数3安打の打率.429で二塁打2本、三塁打1本と非凡な打撃を見せています。

そしてもう1人、『ミスター社会人』と呼ぶべき活躍を見せたのが度会隆輝です。度会は、ENEOSで3年連続出場。1年目から初戦のJR名古屋戦で本塁打を放ち、2度目の出場となった2022年は、準々決勝のJR西日本戦で2本塁打を放つなど、決勝までの5試合で打率.429、4本塁打、11打点の大活躍。

決勝戦の東京ガス戦でも本塁打を放って、チームの9年ぶり12回目の優勝に貢献し、橋戸賞・若獅子賞・打撃賞の三冠を獲得しています。

一時は休廃部が相次ぎ、チーム数も減少していた社会人野球ですが、近年はその傾向にも歯止めがかかり、度会や竹田のような即戦力になる選手も多く輩出しています。今回の出場選手にも、将来ベイスターズのユニフォームを着る選手がいるのか。秋のドラフト会議にも注目したいと思います。

文：大久保泰伸