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エンゼルス戦に先発する直前の山本
なぜか不思議な感覚。ドジャースの山本由伸投手(26)の投球を見ている感想だ。8月11日(日本時間12日)のエンゼルス戦(アナハイム)では、4回2/3で6安打、メジャー移籍後ワーストの6失点で8敗目(10勝)を喫した。
決して炎上し、KOされるような投球に見えない。コントロールがいいゆえにストライクゾーンのボーダーライン、ギリギリを狙うように見える投球が、球審の判定次第ではカウントを不利にする。崩れる時は、えてしてそんな印象だ。つまり、投げている球と結果が、どうにも合致しない、という思いがある。
「調子自体が試合前からすごく悪かったわけではないんですけど、うまくいいテンポをつかめず、リズムをつかみきる前に失点を重ねてしまった」
際どいゾーンでストライクがコールされないとなると、自然とストライクゾーンの内側に投げてしまうのが投手というもの。
1回先頭でネトに初球を狙われ、右越えに18号先頭打者本塁打を浴びた以外、他の5安打は長打なし。ゴロ打球が内野手の間を抜けるなど不運もあった。試合後の会見では、米メディアから「球審の判定が不安定だったが、投球に影響はあったか?」という質問が飛んだ。
「まだ映像だったり(データなど)は確認できてないんですけど、そのジャッジがどうなのかなというのはないですし、いつも通りストライクを目がけて投げていました」
ストライク・ボールの判定に言い訳はしなかった。決して調子が悪いから、6失点したわけではない。ただ、微妙な制球力が結果的に敗戦につながった。
「本当すごく悪かったわけではないですけど、少しずつのズレがどんどん自分を苦しめていたかなと思います」
あえて、前向きに今回の内容を捉えるなら、状態を悲観する必要はない、ということだ。不調や痛み、張りがあるわけではない。いや、メジャー2年目で負傷なくローテーションを守り続けていることで感じる疲労は由伸に限らず、どの選手たちにもあることだ。
試合後、メディア対応する山本
「すごく体調よくいけていると思います。例年と比べてもいい方なんじゃないかなとは思っています」
グラスノーの復帰に伴い、中7日で迎えた先発。次回の登板は未定だが、6人ローテーションのままなら、中7日で18日(同19日)のロッキーズ戦(デンバー)。あるいは、中5、6日ならパドレス戦(ロサンゼルス)で首位攻防戦に先発する可能性がある。
この日、ナ・リーグ地区2位のパドレスと1ゲーム差となった。エースとして、ライバル戦に投げるのか。どちらにせよ、次のマウンドでリベンジを期す。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
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