【広島好き】カープの育成選手、前半戦の成績を振り返る

マツダスタジアム

オールスターゲームのブレイク期間が終了し、ペナントレース後半戦がスタートします。カープは88試合38勝45敗5分のリーグ5位で前半戦を終了。7月の18試合を3勝12敗3分と、昨年の9月を思わせる急失速で自力優勝もすでに消滅と苦しい状況となっています。

勝負の後半戦に向けてフォード、ビシエド、藤浪晋太郎を獲得した横浜DeNAを筆頭に、セ・リーグ各チームがシーズン途中補強を行う中、カープに関するその手のニュースは25日現在では、まだ入ってきていません。

カープの支配下登録選手は68名とまだ2枠の空きがあり、考えられるのは新外国人選手の獲得か、育成枠選手の支配下登録ということになります。日本野球への適正など、当たるも八卦、の外国人選手はともかく、低迷するチームの起爆剤となりそうな育成選手は存在するのか。今回は育成選手の前半戦成績を調べてみました。

投打で11人いる育成選手で、もっとも支配下に近い存在と言えるのが前川誠太でしょう。前川は高卒4年目の内野手で、7月24日時点のウエスタンリーグ成績（以下全て同じ）は64試合出場で打率.283、0本塁打、20打点、2盗塁でOPSは.686。

カープの野手では唯一、規定打席に達しており、打率はリーグ4位の好成績でフレッシュオールスターに選出。1番・一塁でフル出場して5打数3安打とチーム唯一の猛打賞を記録しています。ファームでは二塁を守ることが多く、複数ポジションを守れることも、現在のチーム事情にマッチしている選手と言えそうです。

また、ドミニカアカデミー出身のM・ラミレス内野手とN・ロベルト外野手がいますが、ラミレスは44試合出場で打率.191、3本塁打、11打点、ロベルトも31試合出場で打率.165、2本塁打、3打点と、一発長打の魅力こそあるものの、まだまだ支配下のレベルには遠い数字となっています。

外野手では地元の瀬戸内高校出身で、青森大学を経て3年目の名原典彦もいますが、28試合出場で打率.256、0本塁打、3打点と二軍でも定位置確保がままならない状況です。昨季はチームトップの11盗塁をマークした俊足が売りの選手ですが、現時点での支配下登録は厳しそうです。

野手ではもう1人、大卒1年目の安竹俊喜がいますが、9試合出場で打率.091、0本塁打、1打点。捕手ですが、ようやくファームの試合に出場できるようになったというレベルの選手で、支配下はまだ先になりそうです。

6人が所属する投手では、高卒5年目の小林樹斗が21試合に登板し、投球回数も21イニングで勝ち負けなしの1セーブ、防御率3.86。高卒1年目から一軍のシーズン最終戦で先発を任されるなど、将来のエース候補として期待されましたが、右肘手術の影響で昨オフに育成に降格。

復活を目指すシーズンでイニング数を上回る奪三振（25）を記録し、ストレートのMAXも140キロ台後半まで戻っていますが、支配下復帰はあるのでしょうか。

小林を上回る22試合に登板しているのが高卒3年目の辻大雅で、投球回数は22回1/3、1勝1敗1セーブ、防御率3.97をマークしています。昨季限りで現役引退した野村祐輔コーチの指導で球速アップし、自己最速の150キロに達したサウスポーを、一軍で見てみたい気もします。

ともに高卒2年目の杉田健、杉原望来は、それぞれ12、11試合に登板。杉田は長いイニングを任されることも多く、37回2/3イニングで1勝4敗、防御率4.30、杉原は13イニングで1勝1敗、防御率5.54となっています。

小船翼、竹下海斗の高卒ルーキー2人は、ともに5試合の登板ですが、小船が4回1/3イニングで勝ち負けなし、防御率6.23に対して、竹下は5イニングながら2勝0敗1セーブ、防御率は0.00をマークしています。

シーズン中の支配下登録の期限は7月末までとなっていますが、チームが苦しい状況の中、空いた枠をどのように活用するのか。注目されるところです。

文：大久保泰伸