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エンゼルス戦の前、フォームを確認する千賀
どれだけいい投球ができるか。安定感ある内容を続けられるか。メッツの千賀滉大投手(32)がチームを左右するかもしれない。1人の選手がチームの命運を左右する、というと大げさかもしれないが、プレーオフ進出とその先へ、大きな影響を与えることは間違いない。
「自分が戦っていける状態を、しっかり作っていくことが大事だと思っている」
7月21日のエンゼルス戦では3イニングで73球を投げ、4失点。6月12日のナショナルズ戦で右太もも裏を負傷。復帰2戦目は、まだ投球フォームの感覚に手応えを得られていない。打者に対峙する前に己の投球フォームを気にする方が先立ってしまった。
「メカニクスもそうですし、自分の中でいろいろ考え過ぎた」
メジャーリーグの投手の中では決して体の大きい部類には入らない。身長185センチの体格を最大限に効率よく使うためのフォームを追求し続けている。力の伝達が効率的であれば、肩や肘などへのケガのリスクが低いフォームにもつながる。
キャッチボール中から動画を撮影し、ブルペンでは1球ずつデータを確認する。一般的には高出力の投球をすれば、肩や肘への負担は増し、ケガのリスクは上がるはず。しかし、千賀は自ら持つパワーを無駄なく使えるように身体を扱うことができれば、それらの負担は軽減できるはずだ、と考えている。
ブルペンなどで投げる前に右手を上に掲げたり、左手でグラブの動きを確認する仕草を繰り返すのは、最大効率フォームを習得するための一環だ。
7月22日の練習中に菊池雄星(右)と談笑する千賀
「基本的に球のスピードはすごく落ちている。自分でどういうこと(原因)が起きているから、と分かってはいる。そこ(自覚している改善点)との戦いかなと思っています」
この日、直球の平均は94.6マイル(152.2キロ)で今季の平均よりも1マイル(1.6キロ)遅かった。自分の身体を最大効率化する投球フォームから遠いから、球速も出ない。負傷明けから、次回以降は90~100球を任される見込みだ。
メッツはナ・リーグ東地区でフィリーズとの地区優勝争いを繰り広げる。千賀は、負傷離脱があり規定投球未満ながら防御率1.79の好成績。投球フォームに迷いながらも、エース級の数字を残していることは確かだ。
健康状態の不安が消え、フォームの悩みがクリアになり、相手の打者に立ち向かえる状態になる。それが叶えば、千賀が先発する試合では、勝利への期待値は高まる。地区優勝を懸ける一戦、そしてプレーオフでの大一番。来るべきマウンドに備え、地道な調整を続けている。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
yukiyamada_mlb
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