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2勝目を挙げた試合後のエンゼルス菊池雄星
4、4、5、5。過去4登板は、四球が多かった。
しかし、失点は1、0、1、3と好投していた。
エンゼルスの菊池雄星投手(33)は、6月9日(日本時間10日)のアスレチックス戦で今季最長となる7回1/3で104球を投げ、1安打無失点、1四球、5三振で2勝目(5敗)を挙げた。
「やっぱりチームが勝つのはうれしいです。(自身の)勝ち星とかはそんなに意識してない。本当に意識してないですけど。チームが勝ったらね、やっぱり(試合後のクラブハウスは)盛り上がるし、それはうれしいですね」
14登板目でようやく2勝。防御率2.92が示すように貢献度は高い。ただ、課題の制球力を改善するため、中5日の登板間でルーティーンを変更した。菊池は中4日や、中5日の間にブルペンでの投球練習を行わない。しかし、6日の練習ではブルペンに向かい、高めの直球を中心に投げ、フォームを修正した。
「ちょっと腕の角度が下がっていたので、腕(だけ)を上げようとしても、いいことが起きないので、下がっている原因は何か、ずっと考えていた。その確認をするために珍しくブルペンに入りました」
登板間の練習をする菊池と伊藤トレーナー(右)と大嶋通訳(左)
上半身だけの動かし方を気にするのではなく、試合に近い傾斜のあるマウンドで投げることで感覚を養った。投球の基本とする直球を力強く投げるため、左腕の角度を調整。右足を挙げて、踏み込む際に二塁方向にキックをするような動きを何度も確認した。
「そこが真っすぐ蹴られればいいんですけど、ちょっと外回りして蹴ると、どうしても腕も外の遠回りして、腕も下がってくるのかな?っていう仮説を考えていた。なるべく(身体がホームプレートに向かう)ライン上で足を蹴って、真っすぐ、真っすぐ身体を使うことはしていて、それで結果的に腕が上がっていけばいい」
5日間の調整期間で最善を尽くし、好投につなげた。四球は1つだけでイニングを稼ぎ、今季最長となる7回1/3を104球でマネジメントした。三塁側ダッグアウトのスタンド最前列では、瑠美夫人と長男が声援を送った。
「息子も最近、野球に興味を持って、野球を始めてくれたので、1日でも長くいいプレーをみせたいなと思います」
ちなみに長男は父と同じサウスポーではない。「右投げです。そっちでいいと思います。おすすめはしません。左投げは」と笑った。
雄星の好投で4カード連続初戦を勝利。エンゼルスは31勝34敗でア・リーグ西地区3位につける。勝率5割復帰と順位の浮上へ、菊池は先発の軸としてチームを支える。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
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