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振り返ってみれば、昨季の山本由伸は実に惜しいタイミングで負傷離脱したものである。
韓国でのデビュー戦こそ1回5失点とメジャーの洗礼を浴びるも、その後は徐々に本領を発揮し、4月19日のメッツ戦で移籍後初のクオリティ・スタートを達成すると、この試合を含め4試合連続でクオリティ・スタートを達成。
6月に入るとさらにギアを上げ、この月は15イニングを投げて1失点、月間防御率0.60とし、シーズンを通した防御率も2.92としたところで、約3ヶ月の戦線離脱を強いられたのである。
復帰後はレギュラーシーズン4試合の先発登板で、16イニングで7失点(自責6)と本調子には戻らなかったものの、ポストシーズンでは、ディビジョンシリーズ第5戦(5回2安打無失点)、チャンピオンシップシリーズ制覇に王手をかけたメッツ戦(5回途中4安打2失点)、そしてワールドシリーズ第2戦(7回途中1安打1失点)と、存在感を示した。
以下は、山本が2024年のレギュラーシーズンに残した成績である。
登板18 先発18 投球回90.0
防御率3.00 勝利7 敗戦2 奪三振105
与四球22 与死球1 自責点30 失点32
被安打78 被本塁打7 奪三振率10.50
与四球率2.20 被本塁打率0.70 被打率.229
BABIP.306 FIP2.61 WHIP1.11
やはり、試合数や投球回といった絶対的な数値は残念な結果に終わったが、率に関する成績は、防御率(規定に達していたと仮定するとナショナルリーグ5位相当)、奪三振率(同4位相当)、与四球率(同9位相当)、K/BB(4.77で同5位相当)、被打率(同10位相当)、そしてWHIP(同7位相当)と、12年3億2500万ドルという大型契約の面目躍如たる数字を残した。
世界一を経験した2年目の山本がフルシーズンをプレーした場合、この辺の数字がどう変化するかはとても楽しみなところだが、2025年の山本を占う上で、カギを握るのは果たして彼がメジャーでフルシーズン戦えるだけのフィジカルを作り上げることができるか否かであろう。
では、ここでAIの予測する山本の2025年シーズンを見てみよう。
登板27.08 先発27.08 投球回157.25
防御率3.43 勝利11.92 敗戦6.89 奪三振180.85
与四球49.40 与死球5.66 自責点60 失点67.04
被安打126.10 被本塁打14.77 奪三振率10.35
与四球率2.83 被本塁打率0.85 被打率.216
BABIP.299 FIP3.23 WHIP1.12
惜しくも規定投球回には達しないながらも、先発登板27試合ということで、AIは山本がほぼフルシーズンにわたり先発ローテーションの座を守ると見ているようだ。1試合あたりの平均イニング数も昨季の5回から5.81回に増加しており、それなりの数のクオリティスタートも望めそうである。
ただし、被打率が向上しながらも、奪三振率と与四球率がやや悪化し、その結果として防御率が上昇するという見立てに、AIが昨年から事ある毎に垣間見せてきた悲観論者的視点を感じることができる。
ただし、AIを弁護するわけではないが、データサイト『FanGraphs』の採用する『Steamer』予測も、今季の山本に関しては、26試合の先発登板で、159回を投げ、防御率3.58、奪三振率9.46、与四球率2.46、被本塁打率1.08、K/BB 3.85、被打率.238と、AI同様に昨季よりややスケールダウンした数字を弾き出している。
初めて経験するレギュラーシーズンの長丁場では、山あり谷ありの果てに、大体この辺の数字に落ち着くのでは、ということなのだろう。確かにこれは至って現実的な思考であり、過度の期待や希望的観測や何かを一切合切排除すると、こんな感じの予測が妥当のような気がしないでもない。
J SPORTS 編集部
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