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野球 コラム 2024年10月11日

【広島好き】カープで今後の活躍が期待される若鯉たち

野球好きコラム by 大久保泰伸
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マツダスタジアム

新井貴浩監督2年目のシーズンは4位に終わりました。9月を首位で迎えたチームがBクラスに沈んだのはプロ野球史上初という歴史的な失速で、2年連続のクライマックスシリーズ進出はなりませんでしたが、Bクラス確定後の2試合では、来季以降の活躍が期待される若手選手の躍動が目立ちました。

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10月2日の東京ヤクルト戦では、田村俊介が球団ワーストの敵地13連敗を阻止する決勝打を放ちました。田村は今年3月に行われた侍ジャパン強化試合のメンバーに選出され、高卒3年目で自身初の開幕スタメンとなりブレイクが期待されましたが、打率1割台と低迷して定位置確保はなりませんでした。

ファームで打率.280、5本塁打の成績を残し、9月23日の一軍再昇格はスタメンで起用され、不名誉な記録がかかった試合で結果を残しました。

投手では、プロ2年目の長谷部銀次が6回から3番手として登板し、2イニングを投げて被安打0、1四球のみの無失点と好投。自身5試合目の登板でプロ初ホールドをマークしています。

長谷部は22年ドラフト6位でトヨタ自動車から入団した変則サウスポーで、1年目は二軍でチーム最多の39試合登板も一軍登板はなし。2年目の今季は7月の阪神戦でプロ初登板を果たした後、再昇格した9月15日から4試合に登板して、無失点のままシーズンを終えています。

ドラフト時には「解体新書」で知られる江戸時代の蘭学者、杉田玄白の子孫ということで話題になった長谷部ですが、貴重なリリーフタイプのサウスポーとして、来季以降の飛躍を期待したいところです。

野村祐輔の引退試合となった今季最終戦では、高卒1、2年目のスラッガー候補である仲田侑仁と内田湘大が一軍昇格し、いずれもプロ初安打を記録しています。沖縄尚学高からドラフト4位入団のルーキー仲田は、4番・一塁で先発出場。4回の第2打席にヤクルト2番手・奥川恭伸のスライダーをとらえてレフトへ安打を放ちました。

利根商高から2022年ドラフト2位入団の内田は、7番・三塁でスタメン起用され、ヤクルト先発の山野太一から左前打を放ってプロ初打席初安打。高卒1年目選手のプロ初安打は、チームでは小園海斗以来となりました。

仲田は今季、ウエスタンリーグで54試合に出場して打率.193、13打点で本塁打はゼロに終わっていますが、187センチ、105キロの堂々とした体格は、将来の4番候補に相応しい風格を漂わせています。

内田は高卒1年目の昨季、二軍でチーム2位タイの87試合に出場してフレッシュオールスターにも選出されたホープで、今季は106試合で打率.232、4本塁打、31打点を記録しています。4番打者不在と言われる現在のチームで、2人の大砲候補の躍動は明るい材料となりました。

投手では高太一、滝田一希の大卒ルーキーコンビが揃ってプロ初登板を果たしました。引退登板で1イニングのみでの降板となった野村の後を継いだ滝田は、4イニングを投げて1失点。登板直前に鼻血を出したと思われるアクシデントがありながら、打撃二冠の村上宗隆や最多安打に輝いた長岡秀樹から三振を奪うなど、5奪三振の好投でプロ初勝利もマークしました。

滝田の後の3番手として登板した高は2イニングを投げて無失点。連続奪三振から三者凡退と快調なスタートを切ると、次のイニングでは四球と安打でピンチを招きましたが、無失点に抑えてプロ初ホールドを記録しています。

滝田は最速152キロ、高は最速151キロと、ともに150キロ超の速球を武器とする剛腕サウスポーが、シーズン最終戦で鮮烈デビューを果たしました。今季はプロ3年目で2人と同じ大学出サウスポーの黒原拓未が、53試合登板で4勝3敗3ホールド、防御率2.11の好成績で新人王の声もあり、ほんの数年前まで『左腕不足』と言われたチームの様相が大きく変わっています。

失意の結果に終わったシーズンでしたが、消化試合の2試合での若ゴイたちの躍動が、来季以降につながることを期待したいものです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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