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野球 コラム 2024年10月1日

アストロズ黄金期の礎を築いたタイガースの指揮官が古巣に挑戦。ア・リーグ ワイルドカードシリーズ

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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アストロズvs.タイガース

MLBは現地10月1日(日本時間2日)から始めるワイルドカードシリーズで、遂にポストシーズンが幕を開ける。

アメリカンリーグはボルチモアで、第4シードのオリオールズと第5シードのロイヤルズが、ヒューストンで西地区王者で第3シードのアストロズと、シーズン終盤の猛追で第6シードに滑り込んだタイガースが激突する。

ワイルドカードシリーズは2戦先勝方式となっており、オリオールズvs.ロイヤルズの勝者は、ディビジョンシリーズでヤンキースと、アストロズvs.タイガースの勝者は同じくディビジョンシリーズでガーディアンズと対戦する。

目下、7年連続チャンピオンシップシリーズ進出中のアストロズと、10年ぶりのポストシーズン進出を果たしたタイガースのマッチアップは、今季のワイルドカードシリーズで最も興味深い組み合わせと言えるだろう。

何しろ、アストロズによる近年の黄金期の礎を、かつて監督として築いたAJ・ヒンチが、タイガースの監督として、ポストシーズンに古巣の本拠地ミニッツメイドパークを再訪するのである。

現在のアストロズはプレーオフの戦い方を知り尽くし、またその試合運びに長けているわけだが、そのアストロズ黄金時代を支えてきたホセ・アルトゥーベや、アレックス・ブレグマンを知り尽くしているのが、敵将のヒンチなのだ。

また、現在アストロズを率いるジョー・エスパーダ監督は、かつてヒンチ体制下でベンチコーチを務めており、現役時代から今に至るまで親しい友人であるという人間模様も、このシリーズを面白くしている。

そのエスパーダ監督での初年度となったアストロズは、レギュラーシーズン当初、7勝19敗と大きく出遅れるも、終わってみれば88勝を挙げ、ア・リーグ西地区を制覇。

前述のアルトゥーベとブレグマンは健在であり、ヨルダン・アルバレス、カイル・タッカー、ヤイナー・ディアスと、生産力の高い打者がラインナップに揃っており、守備職人であるマウリシオ・デュボンもシーズン終盤は打撃で存在感を高めるなど、打線の陣容はかなり充実している。

懸念点は、ここ1週間ほどケガで戦列を離れているアルバレスの復帰が微妙なところ。投手陣は第1戦での先発が予想される防御率2.91のフランバー・バルデスを筆頭に、移籍後に先発した10試合で5勝1敗、防御率2.70と抜群の安定感を見せている菊池雄星、さらには、ロネル・ブランコ(防御率2.80)、ハンター・ブラウン(防御率3.49)と、ソリッドな先発ローテーションを形成。

ブルペンも守護神のジョシュ・ヘイダーを始め、ブライアン・アブレイユ、ライアン・プレスリーと、盤石の陣容となっている。特に、新加入ながらアストロズで先発した試合のチームの勝率を9割とした菊池がどの試合で起用されるかは、大きな注目ポイントである。

対するタイガースは、シーズン最後の1ヶ月半を31勝13敗で駆け抜けてプレーオフ行きの切符を手にしており、プレーオフ進出チームで、最も勢いに乗っていると言っても過言ではない状態にある。この勢いが、経験豊富なアストロズにどこまで通用するかは、見ものである。

中でも注目は、投手3冠を獲得し、事実上ア・リーグのサイ・ヤング賞を確定させているタリク・スクーバルだ。シーズン後半にリーグ屈指の安定感を発揮するようになったブルペンを誇るタイガースだが、先発ローテーションの駒不足は否めないだけに、シリーズを勝ち抜く上でスクーバルが先発する第1戦の勝利は必須となる。

そんなプレッシャーのかかる初戦で、プレーオフ巧者のアストロズ打線を相手に、MLB最高投手と評されるエースは果たしてどのようなパフォーマンスを見せるのか。その辺も、このシリーズがワイルドカードシリーズで最も興味深い組み合わせと思わせる所以である。

J SPORTS編集部

J SPORTS 編集部

 

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