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野球 コラム 2024年9月14日

【広島好き】常廣羽也斗が一軍デビュー。カープのドラフト1位選手の初登板を調べてみた

野球好きコラム by 大久保泰伸
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マツダスタジアム

9月8日のウエスタン・リーグ、福岡ソフトバンク戦で常廣羽也斗が完封勝利をマークしました。常廣は9回116球を投げて被安打8と苦しい投球でしたが、最終回も2死満塁のピンチを無失点で凌いでプロ入り後、初めて1人で1試合を投げ切りました。

この好投を受け、15日の横浜DeNA戦での一軍デビューが決定したと報道されました。ドラフト1位ルーキーの常廣ですが、春季キャンプでの出遅れもあり、ここまで二軍生活が続いていました。今季はここまで11試合に登板して2勝6敗、防御率4.06の成績を残している右腕に、新井貴浩監督は「どんな結果でもすごい経験になる」と期待を寄せています。

昨秋のドラフトでは大学ナンバーワン右腕の評価もあった常廣ですが、初の一軍でどんな投球を見せてくれるのでしょうか。今季のチームを支えてきた投手陣にも、もちろんドラフト1位入団の選手は多くいますが、今回は彼らのプロ初登板を調べてみたいと思います(成績は全て9月12日終了現在)。

今季はノーヒット・ノーランを記録するなど、エース復権の働きを見せている大瀬良大地は、2013年ドラフト1位入団。プロ初登板は2014年4月2日の東京ヤクルト戦(マツダ)で、1年目から開幕ローテ入りを果たした剛腕は7回を投げて被安打5、2失点と好投。

勝ち投手の権利を得て降板しましたが、リリーフが打たれて、勝ち負けは付きませんでした。失点はバレンティンに打たれた2ラン本塁打のみで、奪三振2、四死球1、投球数116球という内容でチームの勝利には貢献しましたが、初登板初勝利はなりませんでした。

大瀬良とともに先発4本柱の一角で、今季も10勝をマークしている2019年ドラフト1位の森下暢仁は、2020年6月21日の横浜DeNA戦(横浜)でプロ初登板。この年はコロナ禍で開幕が遅れ、開幕カード3戦目のデビューとなった右腕。

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7回104球を投げて被安打4、四死球2、奪三振8で無失点と圧巻の投球で、プロ初登板初先発での初勝利は目前でしたが、9回に抑えのスコットが打たれて、チームは逆転負け。こちらも勝ち負けなしで終わっています。

今季も絶対的守護神として存在感を発揮している栗林良吏は、2020年ドラフト1位。ルーキーイヤーから守護神を務めた社会人出身右腕のプロ初登板は、開幕2戦目の2021年3月27日の中日戦で、3点リードの9回に登板して無失点に抑えて初セーブをマークしています。

愛知県出身で幼い頃からドラゴンズファンだったという栗林ですが、バンテリンドームで打者3人に対して10球を投げて、奪三振1のパーフェクト投球で地元に錦を飾りました。

プロ3年目で44試合登板、防御率1.81と今季リリーフとしてブレイクした2021年ドラフト1位の黒原拓未ですが、デビュー戦も中継ぎ登板でした。2022年3月29日、地元開幕戦となった阪神戦で1点ビハインドの7回2死2・3塁の場面でマウンドに上がり、糸原健斗を三振に打ち取りました。打者1人、わずか6球のプロ初登板でしたが、最速148キロの速球に、最後はカットボールでピンチを切り抜けています。

最近10年間のドラ1投手のプロ初登板で、もっとも強烈な印象を残したのが2016年ドラフト1位の加藤拓也でしょう。現在は登録名が「矢崎」に変わり、昨季は54試合に登板するなどブルペンの一角として活躍する慶應義塾大学出身の右腕ですが、プロ初登板は2017年の4月7日、神宮での東京ヤクルト戦でした。

開幕から1週間、開幕投手の前田健太から数えて7人目の先発投手としてマウンドに上がった「加藤」は、9回1死までヤクルト打線を無安打に抑える快投。1987年の近藤真市(中日)以来となるプロ初登板でのノーヒット・ノーランの偉業まであと2人と迫りました。

しかし、山田哲人を四球で歩かせた後、バレンティンに左前打を打たれて大記録は消滅。さらに雄平にタイムリーを打たれて降板となりました。最終的に8回1/3を投げて被安打2、失点1、奪三振7での初登板初勝利となりましたが、与四死球も7と、「矢崎らしい」とも言える内容でした。

ここまで優勝争いを続けてきたチームは、9月に入って失速気味の感もありますが、ドラ1ルーキーが再び活性化させることができるか。遅れてきたルーキーのプロ初登板に期待したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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