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野球 コラム 2024年8月17日

【広島好き】守備に貢献する菊池涼介と矢野雅哉。カープがリーグ優勝した年の二遊間コンビを調べてみた

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島東洋カープ

地震や台風など、何かと落ち着かない8月ですが、カープは真夏の9連戦を5勝3敗1分と勝ち越して首位をキープしています。その9連戦を締めくくったのが、ピースナイターでの逆転勝利でしたが、その主役となったのが、劇的な逆転サヨナラ弾を放った菊池涼介でした。

菊池と言えば、2022年まで10年連続ゴールデングラブ賞に輝いた『守備職人』のイメージですが、今季はショートに定着した矢野雅哉との二遊間コンビが球界屈指の守備力と評価が高く、12球団ダントツのチーム防御率を誇る投手陣を支えています。

6年ぶりのリーグ優勝へひた走るチームにとって、いわゆる『センターライン』を担う2人の存在は大きな強みとなるわけですが、過去にリーグ優勝した年にも、素晴らしい二遊間コンビが存在しました。

菊池はリーグ3連覇の時期から不動のセカンドでしたが、その時期にショートを守っていたのは田中広輔でした。こちらも不動と呼ぶべき存在で、当時の田中は連続フルイニング出場を継続しており、リーグ3連覇中は3年連続で全143試合にショートで出場しています。2016年は菊池も141試合でセカンドを守り、さらに打順でも田中が142試合で1番、菊池は140試合で2番と、不動の1・2番コンビでもありました。

2017年も同様に菊池が136試合で2番・セカンドを務め、2018年は田中が143試合でショートを守り、1番での出場は116試合、菊池は138試合でセカンド、2番で136試合の出場でした。この時期は、丸佳浩も含めた同学年のトリオで、『タナキクマル』と呼ばれ、リーグ3連覇の象徴的存在となりました。

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歴史を遡ると、球団創設以来の初優勝となった1975年のチームには、大下剛史と三村敏之という二遊間コンビがいました。年齢は4歳違いでしたが、2人とも広島県安芸郡海田町の出身で、地元の名門校である広島商業高校の先輩後輩の間柄でした。

高校卒業時にカープに入団した三村に対して、大下は駒澤大学から東映フライヤーズ(現在の北海道日本ハム)を経て、1975年にトレードでカープの一員となっていました。

オーダー的には大下がセカンド、三村がショートでしたが、いずれも二遊間で高い守備力を誇る名手で、特に大下はダイヤモンドグラブ賞(現在のゴールデングラブ賞)が創設された1972年に、パ・リーグで最初の二塁手部門に選出されるなど、その高い守備力には定評がありました。

大下は現役引退後も、カープで山本浩二監督や達川光男監督の時代にヘッドコーチを務め、『鬼軍曹』と呼ばれる厳しい指導で、数々の名選手の育成に尽力しました。三村も1994年から5年間、カープで監督を務めるなど、ともに指導者としても球団に多大な貢献をしています。

https://news.jsports.co.jp/baseball/article/20190310227486/前回のコラムで「今季と似たチーム」と記した1991年は、正田耕三と野村謙二郎の二遊間コンビでした。正田はこの年の前にリーグ優勝した1986年も90試合に出場し、高橋慶彦と二遊間コンビを組んでいます。1991年の野村はプロ3年目のシーズンでしたが、自身初の全試合出場を果たし、2度目の盗塁王を獲得するなど、すでにチームリーダーの風格を漂わせていました。

野村はこの年、キャリアハイである打率.324をマークし、正田も自身初の全試合出場で打率は.291でしたが1987、88年に2年連続で首位打者のタイトルを獲得するなど1990年までに4年連続で打率3割以上をマークしており、どちらかと言えば攻撃的な要素の強い二遊間コンビでした。

今季は8月16日現在で菊池が打率.223、矢野が.246と、全体的に投高打低が顕著なシーズンとは言え、守備特化型の二遊間コンビと言うべきでしょうか。もちろんサヨナラ弾の菊池のように、2人とも数字以上に打撃面でも存在感は発揮していますが、それ以上にこの2人のおかげで何点、失点を防げているのか、正確な数字こそ分かりませんが、恐らく相当なものになっているはずです。

菊池と矢野のコンビがこれから輝かしい球団史に名を連ねることになるのか。期待して今後に注目しましょう(文中敬称略)。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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