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野球 コラム 2024年5月21日

【広島好き】覚醒中の4番とGキラーの大砲候補が活躍。今季初の同一カード3連勝で2位浮上

野球好きコラム by 大久保泰伸
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小園海斗(広島東洋カープ)

今季初の同一カード3連勝で2位浮上。貯金は今季最多の『3』となり、首位阪神とのゲーム差は1.5と、少し遅れた『鯉のぼりの季節』となりました。リーグ最速の20勝到達で首位を走っていた巨人相手の3連勝は、今季の『負のデータ』を覆す『相性の良さ』によるものでした。

今季初対戦となった、4月12日からの東京ドームでの3連戦は同一カード3連敗。1週間後のマツダスタジアムでの3連戦は、2戦目に森下暢仁と宇草孔基の同級生コンビの活躍で勝利しましたが、初戦と3戦目はスコアレスドローと、貧打に苦しむ今季を象徴するような試合でした。

しかし、ここで『負けなかった』ことには、大きな意味がありました。マツダスタジアムでの巨人戦は、昨季の12試合で9勝3敗をはじめ、2022年は8勝5敗、2021年は6勝6敗1分、巨人が優勝した2020年でも6勝5敗1分、2019年も7勝4敗。

逆にカープがリーグ3連覇を果たした2018年は9勝2敗1分と、抜群の相性の良さを誇り、巨人サイドから見ればシーズン勝ち越しを記録したのは、2013年が最後と、まさに『鬼門』の地でした。

5月17日からの3連戦も、初戦は大瀬良大地が6回まで、全イニングで走者を背負って被安打5、2四球と苦しい投球ながら、無失点の粘投で今季2勝目をマークしました。打線は4番・小園海斗の先制打などで2点を奪い、5投手の無失点リレーで。2-0と完封勝ち。小園は19日も含めて4番起用の8試合で8打点、5度目の決勝打と覚醒モードに入っています。

18日は今季自身初の開幕投手を務めながら、ここまで7試合に登板して勝ち星なしの九里亜蓮が2点の先制を許すも、羽月隆太郎の今季初安打となるタイムリー二塁打とこの日は3番に入った小園の2点タイムリーで逆転。

さらに坂倉将吾の4月16日以来の本塁打となる3号ソロで追加点。9回に栗林良吏が今季2度目の失点で1点差に追い上げられましたが、決まれば同点のスクイズを一塁に入った二俣翔一の好プレーで失点を阻止し、逃げ切っています。

プロ野球2024公式戦

【ハイライト動画】5月19日 広島 vs.巨人|小園海斗のタイムリーから末包昇大の今季1号で逆転勝利

今季はここまで完封負けが8試合、加えてスコアレスドローが3試合ありましたが、その11試合中、九里は5試合に先発して、うち3試合は無失点の投球でした。開幕から2ヶ月弱、8試合目の今季初勝利に、お立ち台では声を詰まらせる場面も見られました。

そして、同一カード3タテがかかった19日、この日はチームにとって、ある意味『鬼門』と言える試合でした。それまで今季の日曜日のマツダスタジアムの試合は、3試合で未勝利。さらに計23イニングで得点ゼロと、貧打に苦しむ今季を象徴する結果となっていました。

この日も初回から先発のアドゥワ誠が、3失点と厳しい立ち上がりでしたが、その不穏な空気を一掃したのが、覚醒中の4番とGキラーの和製大砲候補の活躍でした。

今季は、ここまで2試合12イニングの対戦で、1得点のみという相手先発・高橋礼から、その裏すぐに小園のタイムリーで日曜マツダでの初得点を挙げると、6番に入った末包昇大の今季1号となる3ラン本塁打で逆転。その後も林晃汰、秋山翔吾のタイムリーや、菊池涼介の2号ソロ本塁打などで追加点を重ね、9-3で3タテを決めました。

この日は逆転弾に続いてダメ押し点となるタイムリーなど、3安打猛打賞の末包は、プロ3年間で巨人戦の通算打率が.364、7本塁打、16打点。通算14本塁打のうち半数が同カードという右の4番候補は、究極のGキラーと言えそうです。

好相性を活かして2位に浮上したチームは、21日から1.5ゲーム差で首位阪神との3連戦に挑みますが、ここでは、昨年散々やられた村上頌樹、大竹耕太郎が先発予定と、逆の意味での相性が気になる対戦となります。

さらに来週からは、チームにとって長年の『鬼門』となっているセ・パ交流戦もスタートします。巨人3タテで勢いに乗るチームが、このいい流れを継続できるのか。5月後半は、いろいろな意味で目が離せない期間になりそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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