AIが予測する千賀滉大のMLB2024シーズン成績：負傷の影響もあり、勝ち星・防御率とも昨季を下回る予測

AIが予測する千賀滉大の2024年成績

昨季のMLBで、開幕前の期待値と最終結果が大きく乖離した最も残念なシーズンを送ったメッツにあって、『ゴーストフォーク』で一大センセーションを巻き起こした千賀滉大。

ルーキーながらエースとして先発ローテーションを牽引し、文字通り孤軍奮闘するなかで、見事なパフォーマンスを維持し続けた。春先の故障により、シーズン開幕を故障者リスト入りして迎えたのは残念だったが、復帰後、2年目のシーズンで右腕がゴーストフォークを武器に、MLBの猛者たちとどのような勝負を繰り広げるかは、非常に楽しみなところである。

なお、3月末の時点で千賀は投球を開始しているが、復帰は5月以降の見込みとなっている。では、AIが予想する千賀の2024年を見てみる前に、昨季の右腕を主要なスタッツで振り返っておこう。

◆2023シーズン成績
登板29 先発29 投球回166.1 防御率2.98
勝利12 敗戦7 セーブ0 奪三振202 与四球77 与死球5
自責点55 失点60 被安打126 被本塁打17
奪三振率10.93 与四球率4.17 被本塁打率0.92 被打率.206
BABIP.277 FIP3.63 WHIP1.22

昨季、メッツで規定投球回に達したのは千賀のみであり、先発登板や投球回はもちろんチームトップ。防御率2.98は、昨季ナ・リーグの先発投手ではサイ・ヤング賞に輝いたブレイク・スネルに次ぐ2位の数字であり、他にも被打率は同3位、奪三振率は同4位、奪三振は同8位タイにランクインしている。

この活躍により、右腕は2023年のナ・リーグ新人王投票で2位、そして同サイ・ヤング賞投票で7位に入っている。与四球率は4.17とやや高めだったことから、K/BB（奪三振と与四球の比率）は2.62と平均より僅かに高い数値に留まった。

敢えて欲を言えば、この辺は課題と言える部分であり、今後はK/BBを向上させつつ、クオリティスタート（QS）の回数を上げていきたいところだ（2023年はQS：16でナ・リーグ12位タイ）。では、上記を踏まえた上でAIの予想を見てみよう。

◆2024シーズンAIの予測成績
登板23 先発23 投球回131.5 防御率4.05
勝利8.1 敗戦7.5 セーブ0 奪三振159.9 与四球60.6 与死球9.1
自責点59.1 失点64.9 被安打104.8 被本塁打13.8
奪三振率10.95 与四球率4.15 被本塁打率0.94 被打率.214
BABIP.304 FIP3.77 WHIP1.26

負傷者リスト入りしたことで、登板と投球回が減少している。昨季、千賀は4月から5月上旬にかけて、6試合に先発登板しており、仮に5月の第2週に復帰したとすると、先発登板はAI予想通り、23試合前後となる可能性が高い。

興味深いのは、奪三振率、与四球率、K/BB（2.64）、そして被本塁打率はほぼ横ばいで、相手チームの研究が進むためか、被打率、FIP、そしてWHIPは若干高くなっているが、防御率のみ上昇の度合いが顕著な点である。

ちなみに、『ファングラフス』の『Steamer』予想は、先発登板23、投球回130.0、8勝7敗、防御率3.74、149奪三振、奪三振率10.37、与四球率3.81、K/BB2.72、被本塁打率1.08、被打率.226、WHIP1.28という数字を弾き出している。

『MLB.com』はシーズン前に掲載した2024年のサイ・ヤング賞予想に関する記事で、千賀をナ・リーグの4番手に選出し、その根拠として、「右腕は先発した最後の14試合で防御率2.44、被OPS .595をマーク」「その3ヶ月間にナ・リーグの投手で、ランバリュー（得点価値）が彼より高かったのはブレイク。スネルとローガン・ウェブのみ」だった点を挙げている。

参考までに記しておくと、昨季ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で4位に入ったスペンサー・ストライダーは20勝5敗、防御率3.86、281奪三振、奪三振率13.55、与四球率2.80、K/BB4.84、被打率.210、WHIP1.09という数字を残している。もちろん、仮に千賀がAI予想に近い成績を残した場合、サイ・ヤング賞投票で票を得ることはないだろう。

ぜひ、千賀には『MLB.com』予想寄りのパフォーマンスを見せてもらい、シーズン後、AIに猛省を促したいところである。