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オープン戦では振るわなかった3年間ですが、シーズンでは2016年が89勝52敗2分、2017年が88勝51敗4分、2018年は82勝59敗2分と、いずれも圧倒的な成績でリーグ優勝を果たしています。
この期間のオープン戦で、特に苦手としていたのがオリックスで、0勝3敗2分と未勝利。全体的に対パ・リーグ相手の成績が悪く、日本一に届かなかったのは必然と言えるかもしれません。
緒方孝市監督のラストシーズンとなった2019年は、16試合で8勝4敗4分、勝率.667の好成績でオープン戦1位になっています。苦手のパ・リーグも含めて、全7カード(東北楽天、千葉ロッテ、中日、阪神は対戦なし)で負け越しがなく、リーグ4連覇からの日本一も期待されましたが、シーズンでは70勝70敗3分で4位に終わり、クライマックスシリーズ進出さえ逃してしまいました。
佐々岡真司監督の3年間、2020年から2022年は6位、8位、10位と、言い方は悪いですがパッとしない成績が続きました。2020年は12試合で5勝5敗2分と勝率5割でしたが、シーズンは52勝56敗12分で5位。
2021年は5勝6敗と同じような成績で、シーズンは63勝68敗12分で4位。この年、リーグ優勝を果たした東京ヤクルトとは、オープン戦で3戦全勝でしたが、シーズンでは8勝14敗3分で、この年のセ・リーグ相手で唯一のカード負け越しを喫しています。
16試合で5勝9敗2分と大きく負け越した2022年は、シーズンでも66勝74敗3分で5位に終わっています。この年はオープン戦で東京ヤクルトとの対戦はありませんが、シーズンでは8勝16敗1分と惨敗で、ヤクルトのリーグ連覇をアシストする結果となってしまいました。
そして、新井貴浩新監督が就任した昨季、2023年のオープン戦は16試合で4勝9敗3分、なんと12球団最下位に終わっています。長年苦手としている福岡ソフトバンクに2勝したものの、3敗でカード負け越し、対千葉ロッテ、対オリックスは未勝利と、相変わらずパ・リーグ相手に苦戦しています。
しかし、シーズンに入ると、鬼門の交流戦を9勝9敗の勝率5割と最低限のノルマをクリアし、シーズンでは対巨人の17勝8敗を筆頭に、対横浜DeNAが14勝10敗、対東京ヤクルトが13勝11敗1分と、セ・リーグ相手のカード負け越しは優勝した阪神のみの好成績で、シーズン前の予想を大幅に覆す2位と躍進しました。
リーグ3連覇時や昨季を見ると、オープン戦成績が悪い年は、逆にシーズンの成績が良い結果に終わることが多いようです。ちなみに今年と同じ10位に終わった2022年は5位となっていますが、新井監督の2年目となった今年はどうなるか、注目しましょう。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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