【横浜好き】春季キャンプでアピールするベイスターズの新戦力をチェック

横浜DeNAベイスターズ

春季キャンプは中盤に入り、紅白戦や練習試合など、実戦モードの段階に入りました。開幕一軍を目指して新人選手や移籍選手など、新加入の選手のアピールが続いています。

10日に行われた紅白戦では、紅組で出場した新人野手3人が躍動しました。注目のドラ1ルーキー・度会隆輝は1番・ライトで先発出場。白組先発の小園健太と松尾汐恩の元ドラ1バッテリーを相手に、初回の第1打席からいきなり1・2塁間を破るヒットを放ちました。

2回の第2打席は1死1・2塁の場面でセンター返しの中前打を放って初打点を記録。投手が徳山壮磨に代わった3回はレフトフライに倒れましたが、4回にライトフェンス直撃のタイムリー二塁打で猛打賞を記録。6回には育成左腕のディアスから四球を選んで4打数3安打2打点の鮮烈デビューとなりました。

2番・二塁でスタメンの石上泰輝も5打数3安打の猛打賞と活躍しました。初回に度会に続くライト前ヒットでチャンスを広げると、先頭打者として登場した4回の第3打席は中前打。6回の第5打席もディアスからライト前ヒットを放ちました。石上は6日に行われたライブBP（実戦形式の打撃練習）でも石川達也から逆方向に本塁打を放っており、左打者ですが左腕も苦にしない広角打撃を見せています。

3番・三塁の井上絢登は、初回に度会、石上が作った無死1・3塁の場面でライトへの犠飛で打点を記録。2回の第2打席は四球を選び、4回の第3打席は流し打ちでレフト前ヒットを放ち、持ち味の打撃をアピールしました。井上は独立リーグ・四国アイランドリーグplusで2年連続本塁打、打点の二冠王に輝いた大砲候補で、三塁守備が向上すれば、宮崎敏郎の後継者として期待がかかる選手です。

3人は12日に行われた中日との練習試合でも1・2・3番で先発出場。度会が5回の第3打席に1死満塁の場面でライトへの犠飛で1打点、石上は3打席無安打（1四球）に終わりましたが、井上は先頭打者として登場した4回に左腕の橋本侑樹からレフトへ二塁打を放っています。

10・12日にルーキー投手の試合登板はありませんでしたが、11日のライブBPではドラフト2位の松本凌人が登板。打者6人相手に23球を投げ、安打性の当たりは最初に対戦した関根大気の1本のみに抑えました。

二段モーションのサイドスローからの最速149キロの速球に、スイーパー、シンカーなどの変化球を織り交ぜた投球で、桑原将志を見逃し、柴田竜拓からは空振りで三振を奪い、西浦直亨をライトフライ、オースティンも当たりそこねのセカンドゴロと、右打者は完璧に抑えました。

他球団からの移籍選手では、オリックスの戦力外から移籍した中川颯が10日に紅組の先発投手として登板。初回に1死1、2塁のピンチを無失点に抑えると、2回は三者凡退で2回2安打無失点と好投し、開幕ローテ入りへアピールしました。

セ・リーグでは希少な、本格的なアンダースローで、ハマれば面白い存在になりそうですが、初回に打たれた2安打が佐野恵太、勝又温史と、いずれも左打者からのもので、サブマリンの天敵とも言える対左打者が課題となりそうです。

12日には現役ドラフトでロッテから移籍した佐々木千隼が3番手として登板。最初のイニングは三者凡退に打ち取りましたが、2イニング目に先頭打者への四球から安打でピンチを招き、自らの失策も絡んで2失点。なおも1死1・3塁のピンチは併殺打で凌ぎましたが、2回を投げて被安打1、1四球で2失点と、少し悔しい結果に終わっています。

その他では、10日には小園、12日は深沢鳳介と共に高卒3年目の右腕が先発。ドラ1の小園が2回5安打2四球で2失点と結果を残せなかったのに対して、5位の深沢は2回1安打、無四球、2奪三振で失点0と、アピールに成功しています。
開幕一軍に向けてのサバイバルはまだ始まったばかりですが、1人でも多く新戦力の台頭に期待したいものです。

文：大久保泰伸