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野球 コラム 2024年2月6日

【楽天好き】地味だが奥が深い「投内連携」の練習。川崎憲次郎さんのキャンプ解説。

野球好きコラム by 松山 ようこ
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川崎憲次郎さん(右)と熊谷龍一アナ

J SPORTSで中継がはじまった東北楽天ゴールデンイーグルスの春季キャンプ。第1クールでは、解説を務めた沢村賞投手の川崎憲次郎さんが、今年も投内連携を見ながら投手陣の動きなどについて深い裏側を説いてくれました。ごく一部ですが、要約してお伝えします。

◆投手のフィールディング<br>
投手と内野手が様々なシチュエーションを想定して、連携プレーを行う投内連携。川崎さんは「見た目には地味ですし、簡単そうに見える動きもありますが、実は細かなことが多くて難しいんです」と明かす。そもそも根本的に、投手による送球自体が簡単なことではないという。

「もちろんプロの投手なので制球力はありますが、(フィールディングにおける送球は通常のピッチングとは異なり)下半身を横などに回転させながらの動きなのでブレが生じやすい。そこからさらに、野手との連携も考えるので難易度は高いです」と川崎さん。

なかでも右投手の場合、ピッチャーゴロを捌いて、サードに投げるのは最も難易度が高いという。「身体の回転だけでなく、ランナーがいれば背後を気にすることも同時に必要です。また、もし正面をついた打球が遅いと、間をつくるという状況判断もしなければなりません」。

◆何通りもある牽制の方法

セカンド牽制の投内連携では、その種類と複雑さを解説。川崎さんは「チームによって異なるとは思う」と断りながら、次のように明かす。

「牽制球の入り方は、いろいろあります。野手に合わせる、もしくは投手に合わせるパターン。カウントして秒数で入ることもあります。首の切り方で入ることもあって、例えば投手が首を切った瞬間、野手の方向を向いた瞬間などで内野手がベースに入るといったパターンもあります。あと、捕手がサインを出した場合、そのタイミングで振り向いて投げることもあります」。

続けて、「いずれの場合も、セカンドとショートがベースにつくタイミングが重要になります。ベースと野手の距離を常に見ていなければなりません。どのスピードで投げると野手がぴったり入れるかなども頭に入れておく必要があります。というのも、野手のスピードも1人ずつ違うので、そういったことも把握しておかないといけないのです」。

楽天イーグルス春季キャンプ2024

楽天イーグルス春季キャンプ 2月4日ハイライト

「ただし、サインが出ていようと、投手が難しいとか無理だと思ったら投げないという選択をすることもあります。無理をするとミスになる可能性があるからです。当然、ミスすればランナーが進塁してしまいますから」

ちなみに、サードの牽制があまりない理由についても説明してくれた。「第1にリスクになるから。暴投になれば、得点が入ってしまうのでリスクが高い。(前述のように)右投手にとって、サードへの送球は最も難易度が高いですしね。そもそも右投手は、三塁に身体を向けているため、捻りが加わらず球速も出にくい。成功率も低いので、サードへの牽制球は少ないんです」。

◆年1回あるかないかの特別な連携プレー

キャンプ中に必ずあるのが、非公開の練習。この時にはサインプレーなどが行われているが、なかには年に1度あるかないかという特別な連携プレーを練習することもあるという。川崎さんは説明する。

「年に1度あるかないかのために、この時期のキャンプで一生懸命に練習します。こうした特別プレーをやる時というのは、突発的だったりするので、チームで1人でもわかっていないと成功させるのが難しくなってしまうんです。だからこそ、非公開できっちり練習して、シーズン中に備えるんです」。

一見すると、わかりにくく地味にも見える投内連携。その難易度やプロならではの特別プレーがあることは、なかなか知る機会がない。そういった解説が聞けるのもキャンプ中継ならではなのだ。

文:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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