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現地12月23日に、パドレスが松井裕樹と5年2800万ドル(約40億円)で契約に合意したと発表した。
パドレスにはエースのダルビッシュ有が在籍しており、同じナショナルリーグ西地区のライバルであるドジャースは、このオフにフリーエージェントの補強で大谷翔平と山本由伸をこぞって獲得しているため、来季MLBの同地区は侍ジャパンのスター選手たち揃い踏みする格好となった。
『MLB.com』でパドレスを担当するAJ・カッサベル記者は、くだんの3人に比べて現地では知名度の低い松井について、同日付で「ユウキ・マツイがパドレスのブルペンにもたらすものとは?」と題した紹介記事を投稿し、その中で来季の左腕の役割について分析している。
カッサベル記者は松井について、「日本では東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーした過去10シーズンで防御率2.40をマーク」とした上で、「ここ3シーズンは1イニングのみのリリーフの役割に転向し、防御率1.42をマークすると共に、152イニングを投げて214奪三振としており、NPBにおける最も支配的な救援投手の1人となってきた」と、そのキャリアを手短に紹介。
そして、投手としての特徴として「マツイは明らかに体格的にも球種的にも独特」と前置きした上で、「身長5フィート8インチ(172.7cm)、体重165ポンド(74.8kg)と小柄な左腕であるマツイは、得意のスプリッターで空振りを奪う。彼はそれに、平均92~94マイル(148~151キロ)で、最速96マイル(154.5キロ)に届く回転数の高い速球を組み合わせる。さらにマツイは第3の球種としてスライダーを持っている」と伝えた。
続けて同記者は、「そのコンボがマツイにとって、昨季対戦した打者の32.4%から三振を奪う助けとなった」と、奪三振率の高さについて触れつつ、「しかしながら、1つ気になる点はマツイが四球を与える傾向にありそうなところ」とした上で、「彼の2023年の与四球率は5.9%とソリッドな数字だったが、キャリア通算は10.9%となっている(参考ため加えておくと、昨季のMLB平均与四球率は8.3%」と、懸念点についても指摘している。
また、来季のブルペンにおける立ち位置について同記者は、「パドレスが今後もほぼ間違いなく、さらに投手を加えることを考慮すると、現時点でそれを述べるのは難しい」と前置きした上で、「しかし、彼は少なくとも(試合終盤の)影響力の大きな役割を担う候補」とした。
そして、AJ・プレラーGMによる「(松井の起用は)試合終盤のどこかになるだろう。(最終的に)ブルペンがどのような陣容となり、このオフシーズンで他にどのようなオプションが出てくるかを見定めることになるが、彼は試合終盤のいつでも投げられる男であり、クローザーとして、試合の最後に握手をすることのできる男だ」とのコメントを引用した。
さらにクローザーだったジョシュ・ヘイダーが自由契約となったことから、これまでは「右腕のロベルト・スアレスが、そのクローザーの空席を埋める最有力候補だった」としながらも、「現時点では、スアレスとマツイが、その仕事(クローザー)を担うであろう2人の有力候補となった」と分析した。
また、「ヘイダー、ティム・ヒル、レイ・カー、そしてドリュー・ポメランツが退団したことで、トム・コスグローブがサンディエゴのブルペンでは唯一の左腕のリリーバーとなっていた」ことから、「マツイの獲得は、サンディエゴのブルペンに大きな均衡をもたらす」と、左右のバランスの面からも、松井の獲得の持つ意味の大きさについて指摘している。
J SPORTS 編集部
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