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野球 コラム 2023年12月1日

大谷翔平、打撃改善の余地を示す意外なデータとは

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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3年連続エドガー・マルティネス賞を受賞した大谷翔平

MLB史上最も注目を集めるフリーエージェントの1人となっている二刀流スターが、また1つこのオフの勲章を増やした。MLBでシーズンを通して最も活躍した指名打者に贈られるエドガー・マルティネス賞の受賞者が現地11月30日にMLBより発表され、大谷翔平が3年連続で同賞を獲得したことが明らかとなった。

『MLB.com』でエンジェルスを担当するレット・ボリンジャー記者は、同日付で投稿した速報記事の冒頭で、「ショウヘイ・オオタニがトロフィーを獲得し続けている」と大谷の受賞を伝えた。

そして、「オオタニは3年連続でこのDHの賞を獲得したが、これは2003年から2007年にかけて5年連続で受賞した殿堂入り選手であるデビッド・オルティーズしか達成していない快挙である」と続けた。また、右肘の手術により打者に専念する来季について、「彼は来年もエドガー・マルティネス賞の最有力候補となる」と伝えた。

なお、『MLB.com』は同日付で「オオタニがもう1つ上のレベルに達するには」と題した記事を掲載し、選手としていくつかのエリアに改善の余地があることを指摘している。すでに天下無双レベルにある大谷がこれ以上優れた選手になると、一体どんなことが起こるのか想像もつかないレベルの話である。

記事を投稿したデビッド・アドラー記者は、大まかに言って、打者としては、「ストライクゾーンでの積極性」「空振りとチェイス(ボール球に手をだす)をさらに減らす」「さらなるスライダーに備える」「ゾーン低めで主導権を握る」という4点、そして投手としては、「スプリットの制球力を取り戻す」、「多種多様なレパートリーを活用する」という2点を指摘した。

確かに、打者としての「空振りとチェイスを減らす」や「ゾーン低めで主導権を握る」、そして投手としての「スプリットの制球力を取り戻す」などは、小見出しを見ただけで、なるほどと思わされるが、「ストライクゾーンでの積極性」をホームラン王に説くのは、釈迦に説法のような気もする。

しかし、アドラー記者によると「2023年にオオタニは、ストライクゾーン内でエッジではなく、打者が最もダメージを与えられる投球である真ん中付近の投球の約73%に対してスイングした。こうした投球の3/4に対してスイングしているのは、多いように見えるが、実のところ、これはメジャーリーグでは全体の中位くらいなのである」とのこと。

続けて同記者は、「オオタニは同じくエリート級打者であり、ゾーン真ん中の投球に対してメジャーリーグ最高の91%スイングしたコリー・シーガーを模範とすると良いだろう。あるいは、86%スイングしたフレディ・フリーマン、あるいは83%スイングしたブライス・ハーパー、または長年のチームメイトであり81%スイングしたマイク・トラウトを見習うのも良い」としている。

こうして数宇を示されると首肯せざるを得ない。しかし、裏を返せば、他のトップレベルの打者と比較すると、2023年の大谷は「より甘い投球を見逃し」つつ、最後の1ヶ月はプレーしなかったにも関わらず、本塁打王のタイトルを獲得したのである。打者に専念する来季の大谷が、シーガーやフリーマンばりに甘い球をスイングすれば、60本の大台も十分視野に入ってくるような気がする。

恐らく大谷自身も、その辺のところは重々承知しているのだろうが、来季のチームメイトは、くどくなり過ぎない程度に、この点について本人の周りで囁いて欲しいものである。

J SPORTS編集部

J SPORTS 編集部

 

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