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野球 コラム 2023年11月10日

【横浜好き】藤田一也、平田真吾、田中健二朗。ベイスターズのユニフォームを脱ぐ選手たち

野球好きコラム by 大久保泰伸
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ヤクルト・嶋基宏コーチも加わって行われた藤田一也引退セレモニー

日本シリーズが終了し、プロ野球は本格的なストーブリーグに突入しました。ドラフトで新人選手が加入する一方で、今年も現役引退、戦力外でチームを離れる選手がいます。ベイスターズは11月8日時点で支配下選手8名、育成選手6名の計14選手の退団が発表されました。

まずは選手自らの意思で引退を決めた選手ですが、今オフは藤田一也のみとなっています。近畿大学から2004年ドラフト4位でベイスターズに入団した藤田は、堅守巧打の内野手として高評価を受けましたが、定位置確保には至らず、2012年にトレードで東北楽天に移籍。

楽天では二塁のポジションを確保し、移籍2年目の2013年には自身初の規定打席に到達してチーム初のリーグ優勝、日本一に貢献、翌2014年にはレギュラーシーズン全試合出場を果たし、2年連続でベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞するなど、リーグを代表する内野手となりました。

若手の台頭で出場機会が減り、戦力外通告を受けた2021年オフにベイスターズ復帰が決定。若手が多いチームで貴重なサブとして存在感を発揮し、昨季はクライマックスシリーズ、今季もレギュラーシーズン最終戦でいずれも敗れたチームで最後の打者になるなど、良くも悪くも印象に残る選手でした。

楽天では選手会長を務めるなど、高いリーダーシップと誠実な人柄は評価が高く、来季からは育成野手コーチとしてチームに残ることが決定しています。

戦力外通告を受けた選手にも、一軍で活躍した選手が多く見られます。その筆頭格と言えるのが、平田真吾田中健二朗の左右のリリーバー2人で、平田は9年間で通算227試合、田中は12年間で通算224試合登板の記録を残しています。

社会人野球のHonda熊本から2013年ドラフト2位入団の平田は、ルーキーイヤーから9試合に登板し、2年目の2015年にはNPB史上17人目となる1イニング4奪三振を記録するなど、28試合に登板しました。

2020年には中継ぎの一角として43試合に登板し、先発陣に故障者が続出したシーズン終盤には先発も任され、7年目でプロ初勝利も記録。130試合目の登板でのプロ初勝利は、NPB史上3番目に遅い記録となりましたが、その後は2021年に38試合、22年はキャリアハイの47試合登板とブルペンに欠かせない存在となりました。

2022年オフに右肘手術を行い、今季は一軍登板がないままシーズンを終えて戦力外通告となった平田ですが、10月23日に行われた2024年秋以降にリーグ戦開始予定の中東・南アジアのベースボール・ユナイテッドのドラフト会議で、パキスタンのカラナ・モナークスから5巡目指名を受けました。

今後は11月15日に行われるNPBのトライアウトを受験後、UAEのドバイに渡ることが決まっており、いずれにしても現役生活は続くようです。

田中は常葉菊川高で春のセンバツ優勝投手として、2007年高校生ドラフト1巡目でベイスターズに入団。2年目の2009年に監督推薦でフレッシュオールスターに出場し、翌2010年には一軍デビューを果たしてプロ初先発初勝利をマークしました。

ブレイクを果たしたのが2015年で、セットアッパーとして35試合に出場し、オールスター初出場も果たしました。2016年は61試合、2017年は60試合登板とブルペンに欠かせない存在となりましたが、登板過多の影響か、2019年は実戦登板がなくトミー・ジョン手術を受け、オフには育成契約となりました。

2021年のシーズン途中に支配下復帰となり、2022年は47試合登板と復活を果たしましたが、今季は11試合で防御率4.09の成績でオフに戦力外通告に。現役引退なら球団はセレモニーも用意していたということですが、本人は現役続行の意思を示しています。

その他にも宮國椋丞、田中俊太と元巨人の2人や、昨年の現役ドラフトで入団した笠原祥太郎も戦力外となっています。外国人選手ではエスコバーが自由契約、ソトは契約最終年と近年のチームで主軸とも言える、この2人に関しては、またいずれかの機会に触れたいと思います。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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