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第5戦 レンジャーズvs.アストロズ
言うまでもないことだが、野球という競技はサヨナラゲーム以外、必ず守備側が最後のアウトを取って終了するものであり、ワールドシリーズもその例外ではない。
そして、大概の場合において映像で最も頻繁に切り取られるのが、その最後のアウトを取った優勝の瞬間である(奪三振が一番絵になるが、内野ゴロやフライ捕球も、アウトが確定するまでのドキドキ感としては悪くない)。
レンジャーズが球団史上初のワールドシリーズ制覇を決めた今回の第5戦も、今季のポストシーズンで初めてのセーブ機会となったジョシュ・スボーツが、ポストシーズン連続試合安打記録の継続をかけ、最後の打席に立ったケテル・マルテを落差の大きな84.9マイル(136.6キロ)のカーブで見逃し三振に打ち取って、優勝を決めた瞬間が間違いなくヘビーローテションの対象となる。
◆ワールドシリーズ第5戦(レンジャーズ 4勝1敗) レンジャーズ|0 0 0 0 0 0 1 0 4|5 Dバックス |0 0 0 0 0 0 0 0 0|0
だが、それに勝るとも劣らないレベルで印象に残ったのが、9回表にマーカス・セミエンが試合を決定づける2ランを放った直後のシーンだった。
セミエンといえば、攻守の中心選手の1人でありながら、寡黙に淡々と仕事をこなす職人肌のまるで「2塁を守る高倉健」のような選手なのだが、そのセミエンが本塁打を放って1塁を回る際、チームメイトのいるダグアウトへ向かって大きく咆哮し、感情を露わにする派手なジェスチャーを見せたのである。
これについて、セミエンは試合後にフィールド上で進行していた現地放送のポストゲームショウにて、「あそこまでエモーショナルになったところは、どこのフィールドでも見せたことがないですね。リトルリーグの頃でさえないです。僕らはそれだけ(優勝に)近づいたと感じていました」と述べている。
また、ポストシーズンで不振に喘ぎながらも、主砲のアドリス・ガルシアが離脱した後の最後の2試合で打席にて復調した理由については、「とにかく物事を単純化しました。ポストシーズンを通して、僕は多くをしようとし過ぎていました」。
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