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野球 コラム 2023年10月23日

【横浜好き】ベイスターズ、「横浜頂戦」のシーズンが終戦

野球好きコラム by 大久保泰伸
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CSでの登板はなかったバウアー

「横浜頂戦」のシーズンが終戦となりました。広島とのクライマックスシリーズ・ファースト(CS 1st)ステージは、2試合とも接戦となりましたが、初戦の延長サヨナラ負けから第2戦も終盤に勝ち越しを許して連敗。マツダスタジアムで広島を倒して3位から日本シリーズ進出を果たした2017年の再現はなりませんでした。

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最多勝、勝率1位と投手二冠の東克樹を先発に立てて、必勝態勢で臨んだ初戦は、5回まで両チーム無得点の投手戦に。6回に宮崎敏郎の2ラン本塁打で先制したが、東がリードを守れず8回2失点で降板。後を継いだ上茶谷大河、伊勢大夢が無失点に凌いで延長戦にもつれ込んだが、11回にウェンデルケンが打たれてサヨナラ負けとなった。

打線は1番の林琢磨、3番の大田泰示、5番の宮崎敏郎、7番の山本祐大が2安打、8番の関根大気が3安打など12安打を記録したが、4番の牧秀悟が5打席ノーヒットとブレーキになった。3回に無死1塁から桑原将志のバスターが外野フライとなり、さらに盗塁失敗で無得点に終わると、6回の同点とした直後の2死1・2塁、9回は1死2塁、11回も先頭の山本祐大の二塁打から1死3塁と再三の得点機で、あと1本が出なかった。

後がない第2戦は、最多奪三振のタイトルに輝いた今永昇太が先発。初回に一発を浴びて先制を許したが、その後は立ち直って5回まで無失点。しかし、6回に代打の末包昇大に本塁打を打たれて追加点を与え、さらに安打と四球で無死1・2塁としたところで降板した。

後を継いだ伊勢大夢、エスコバーが無失点に抑え、直後の7回に宮崎、大和の連打から関根のタイムリーで1点を返し、さらに代打・ソトの浅いセンターフライが代走・知野直人の好走塁で犠飛となって試合を振り出しに戻したが、8回にイニングまたぎとなった上茶谷が自らの野選もあり勝ち越しを許した。

9回に今季限りで引退の代打・藤田一也が登場したが、現役最後の打席はライトフライに倒れた。2死から関根が安打を放ったが、ソトが見逃し三振に倒れ、2連敗で敗退が決まった。この試合でも同点の8回に無死1・2塁のチャンスで、今季犠打ゼロの大田が送りバントを試みたが失敗に終わるなど、拙攻が目立った。

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前回のコラムで『1点を争う展開になりそう』と書きましたが、予想通りの試合内容で、いずれも終盤勝負で敗れる結果となってしまいました。球団タイ記録の12連勝と今季は無双状態だった東がレギュラーシーズン最終戦に続いてチームを勝利に導けず、今永も6回途中で降板と、消化不良の結果に。

佐野恵太の離脱が不安視された打線は、初戦は12安打、第2戦も7安打を記録しましたが、いずれも2得点のみ。要所でミスが目立ち、課題が露呈する形となりました。

連敗で終わったクライマックスシリーズでMVPというのはお門違いかもしれませんが、投手では伊勢がチーム唯一となる2試合無失点と好投を見せています。野手では1番・ショートで起用された林が、初戦はマルチ安打、守備でも失点のピンチを切り抜ける好守を披露。

8番で起用された関根は、2試合で8打数5安打1犠打と活躍しています。6年ぶり2度目となる首位打者のタイトルを獲得した宮崎は、初戦で一時は同点となる2ランを放つなど、2試合で9打数3安打の打率.333をマークしましたが、最多安打、最多打点の牧は9打数1安打と、結果を残せませんでした。

過去10年間ではチーム初となる2年連続シーズン勝ち越しで、クライマックスシリーズ進出を果たし、来年こそ、と期待がかかりますが、第3戦があれば復帰先発が予想されていたバウアーの来季去就が微妙で、今永のMLB移籍が確実と言われており、外国人選手では、長年チームを支えたエスコバー、ソトが退団という報道もあります。

今季は米独立リーグでプレーした筒香嘉智の日本復帰という話もありますが、いずれにしても、来季は大きく変わったチームで『26年ぶり』の栄冠へ再出発ということになりそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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