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野球 コラム 2023年10月11日

【広島好き】クライマックスシリーズ、今季の横浜DeNA戦のデータを振り返る

野球好きコラム by 大久保泰伸
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初戦先発予定の床田寛樹

球団史上初となるレギュラーシーズン2位でのクライマックスシリーズ進出を果たした今季のカープ。負け数わずか1の差で3位となった横浜DeNAとのファーストステージはどんな戦いになるのか。今季のデータを振り返ってみましょう。

まず、今季のチーム対戦成績は14勝10敗1分と勝ち越していますが、マツダスタジアムでの7勝5敗1分は横浜スタジアムでの7勝5敗と差がなく、特にホームの優位性は見られません。チーム打率はマツダの.254に対して横浜では.248、同防御率はマツダ2.27、横浜3.50と、投手陣にとって有利な数字となっています。

選手別に見ると、まずは投手で第1戦に先発予定の床田寛樹は、今季横浜DeNA戦で7試合に先発して3勝1敗、防御率1.88と好成績を残しています。対打者成績では、牧秀悟(対戦打率.238)、宮崎敏郎(以下同.267)と主軸2人は抑えており、.304の佐野恵太が右手骨折で欠場するのは好材料と言えそうです。要注意の打者はソト(.500、2本塁打)と大田泰示(.500)の2人で、打数は少ないですが、捕手の山本祐大も.429と警戒が必要です。

第2戦に先発予定の森下暢仁は、2試合の先発で1勝0敗、防御率は2.77ですが、プロ4年間の成績は16試合で7勝3敗と、相性は悪くないようです。今季の対打者成績では、こちらも佐野(.500)の不在は有利な条件と言えますが、大和(.750)や楠本泰史、京田陽太(いずれも.400)など、伏兵に注意が必要なようです。

リリーフ陣では、矢崎拓也が13試合で2.19、島内颯太郎は12試合で防御率2.45とまずまずの成績ですが、栗林良吏が11試合で同3.60で、2敗を喫しており、復帰が見込まれるターリーは7試合で3.86ですが、4勝と勝ち運はあるようです。

野手で横浜DeNA戦に強いのが西川龍馬で、チームトップの対戦打率.414、2本塁打、10打点をマーク。小園海斗も.400を記録し、菊池涼介が.324、堂林翔太が.311で続きます。

対投手成績で見ると、初戦の先発が予想される東克樹は今季6試合で0勝4敗、防御率1.84と苦戦していますが、個別では菊池の同.461を筆頭に、西川が同.333、堂林が同.313、上本崇司と矢野雅哉も同.333をマークしており、打線としてつながりを作れるかがカギになりそうです。

第2戦に先発予定の今永昇太は、今季5試合で1勝1敗、防御率2.61。個別では小園と堂林が.500とカモにしているとも言える数字で、堂林は2本塁打を放っています。その他にも、坂倉将吾が.400、菊池が.385、上本も.375と高打率の選手が多く、打席数は少ないですが會澤翼も3打数2安打で.667と、幅広いオーダーが組めそうです。

ちなみに第3戦までもつれた場合はバウアーの先発も噂されていますが、今季は4試合で2勝1敗、防御率3.12と、第2戦までの2人ほどは苦にしてはいません。個別では小園の.429を筆頭に、秋山翔吾(.417)、マクブルーム(.400)も打率4割台をマークしており、初対戦で本塁打を放ったデビッドソンにも期待したいところです。

リリーフ陣では、クローザーで対戦防御率1.00の森原康平が欠場の見込みですが、代役候補であるウェンデルケンには、11試合で同0.00と苦戦しており、今季2打数2安打の野間峻祥や5打数2安打の秋山あたりに期待。山崎康晃(14.85)、エスコバー(8.31)は打ち崩しており、伊勢大夢は1.23ですが黒星をつけており、終盤勝負に持ち込めば勝機は広がりそうです。

注目のスタメンですが、10日に行われたJFE西日本との練習試合では、指名打者を2人入れて10人の変則オーダー。

1(二)菊池
2(指)野間
3(左)西川
4(一)堂林
5(遊)小園
6(中)秋山
7(三)デビッドソン
8(指)マクブルーム
9(捕)會澤
10(右)末包昇大

試合では、小園が2打席連続本塁打を含む5安打4打点と大暴れで、デビッドソンと會澤、末包も本塁打を放ちました。堂林は目立った活躍がありませんでしたが、新井貴浩監督のシーズン終盤からの一貫した姿勢に、東との相性を考えても、クライマックスシリーズでも4番・堂林が有力でしょうか。

さらに初戦でスタメンマスクを被るのは打力の坂倉か、経験値の會澤か。注目したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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