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菊池雄星(ブルージェイズ)
好調の波に乗っていた左腕が同地区のライバルに攻略された。ブルージェイズの菊池雄星は現地1日、本拠地ロジャースセンターでのレッドソックス戦に先発登板するも、ラファエル・デバースに2ラン弾を浴びるなど、4回1/3を投げ、7安打5失点、7奪三振2四球と、役目を果たせずに降板となり、キャリアハイ更新となる8勝目はお預けとなった。
試合はブルージェイズが6-7で競り負け、直近6試合を2失点以下に抑えてきた菊池は5月24日以来となる黒星を喫し、今季の成績を7勝3敗、防御率4.08とした。なお、この試合、「6番・指名打者」でスタメン出場したレッドソックスの吉田正尚は、3打数2安打1打点で打率をアメリカンリーグ5位の.305とした。
◆試合結果
レッドソックス|0 0 2 0 3 1 0 0 1|7
ブルージェイズ|1 0 1 0 0 0 1 2 1|6
菊池の次回登板予定は、現地7日のタイガース戦となっており、バウンスバックを期して今季前半戦最後の試合に臨むことになる。
なお、今回の試合とは前後するが、現地ニュースサイト『スポーツ・ネット』は試合前に「レパートリーにカーブを加えたことが、如何にブルージェイズのユウセイ・キクチを助けたか」と題した記事を掲載し、今季のブルージェイズでキーマンの1人となっている左腕の好パフォーマンスの要因を明らかにしている。
記事では、菊池が前回登板までの直近の6試合をいずれも2失点以下に抑え、前回のアスレチックス戦ではブルージェイズで初めて7回を投げ切ったことについて振り返った上で、「彼が最近になって、何か違うことをしているのは明らかであり、具体的には球種のレパートリーが完成されたのである」とした。
そして、「キクチは速球、スライダー、そしてチェンジアップの3球種のみでシーズンをスタートしたが、今や彼は4球種の投手となったのである」と、カーブをレパートリーに加えたことが好調の要因であると指摘した。
さらに記事では、菊池のカーブの使用頻度の増加と比例し、この球種の回転数と落差が急激に増加した点に着目。実例として4月9日のエンジェルス戦でマイク・トラウトに対して投じたカーブと、前回のアスレチック戦で投じたカーブの動画を並べ、その落差の違いを証明しており、実際に動画を比べると、4月に投じた高めのカーブはゾーンまで落ち切っていないのに対し、前回登板時のカーブはゾーンへ急降下しているのが確認できる。
続けて記事では、このカーブについて「キクチは一晩でクレイトン・カーショウのカーブを手に入れたわけではないが(中略)結果は目覚しい」とした上で、「左腕の球種で、カーブの「Run Value」(-5)と「空振り率」(30.9%)を上回るものはない」と数字でその効果の高さを示した、
そして記事の末尾では「例えば、キクチの高い被本塁打率のように、この新たな開発が取り繕えないであろう弱点はあるものの、これは彼の驚くほどに強力なシーズンを継続させる上での助けとなるだろう」と締めくくっている。
J SPORTS 編集部
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