【広島好き】サミットロードは7勝5敗。鬼門の交流戦まで残り1週間。『週刊カープいいとこどり』

広島東洋カープ

2カード連続負け越しで4位転落。それでも2週間に渡った『サミットロード』を7勝5敗と勝ち越し、新井貴浩監督は「よく頑張った」と選手を労いました。床田寛樹と野間峻祥の離脱など、チームの状態は必ずしもいいとは言えない状況ですが、本当の意味で新監督の真価が試される『鬼門』の交流戦まで、残り1週間となりました。

◆試合結果
16日（火）DeNA　5-7　○床田／S矢崎
17日（水）DeNA　7-4　●九里
18日（木）DeNA 13-3　●コルニエル
19日（金）阪神 7-10　○ケムナ／S矢崎
20日（土）阪神　1-0　●森下
21日（日）阪神　4-1　●アンダーソン

◆秋山がNPB通算1500安打に到達

今季は開幕から好調をキープして打線を引っ張る存在となっている秋山翔吾。先週は週間打率.292だったが、バウアーにリベンジを果たした16日の横浜DeNA戦では4安打2打点と爆発した。初回に先制打となる二塁打を放つと、続く2回にも2打席連続のタイムリー。そして4回にはセカンドへの内野安打を放ち、NPB通算1500安打を達成。

西武時代から数えて出場1286試合での1500安打は、史上7番目の早さとなった。7回にはこの日4本目、通算1501本目の安打を放ち、NPB復帰の目的のひとつと言われる通算2000安打へ向け、また一歩前進した。

◆球団史上初の『スタメン全員左打者』で2年連続最多勝右腕を攻略

19日の阪神戦で、新井監督が『球団史上初』となる試みを行なった。サイド右腕の相手先発・青柳晃洋に対して、1番から9番まで全員左打者というスタメンを敢行。この試みが奏功し、初回から四球2つを挟んだ4連打一挙5点のビッグイニングを作った。

1番で起用された中村貴浩は17日に育成から支配下登録されたばかりで、新背番号「97」のユニフォームが間に合わず、背番号「123」で登場。プレーボール直後の初球をフルスイングした打球は、レフトフェンス際で相手の好守に阻まれたが、インパクト十分の当たりだった。6番・サードで今季一軍初出場となった林晃汰は第1打席でタイムリーを放ち、4番起用の松山竜平も先制、勝ち越しのタイムリー2本と、指揮官の采配が見事に的中した結果となった。

◆九里が通算1000投球回を達成

今季好調なベテランが節目の記録に到達した。17日の横浜DeNA戦に先発した九里亜蓮は、5回1/3まで投げた時点で史上363人目となる通算1000投球回を達成。前回登板では自身3年ぶりの完封勝利をマークするなど、安定した投球で先発ローテを守り続けている10年目の右腕は、この試合でも7回まで3失点と粘りの投球を見せたが、8回に逆転を許して今季ワーストの7失点で2敗目を喫した。

◆デビッドソンがついに二軍落ち

開幕から6、7番のサードで固定されていた新外国人・デビッドソンが打率.194と不振で4打席ノーヒット、3三振に終わった17日の横浜DeNA戦を最後にスタメンから外れ、19日には一軍登録を抹消された。

同試合では試合終盤に逆転につながる致命的なエラーも犯しており、辛抱の起用を続けていた指揮官がついに決断した。チームトップの6本塁打をマークしているが、44三振はリーグワースト2位、得点圏打率も.037と、大砲候補としての役割を果たせなかった。

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週間MVPは、投手では先発で勝ち星を挙げたのは床田のみで、今季4勝目を挙げた16日も7回3失点で防御率1.75と、抜群の安定感を誇っていますが、右ひじの炎症で登録抹消となってしまいました。20日の阪神戦では、森下暢仁が8回まで無失点と好投したものの、打線の援護がなく、9回2死からサヨナラ打を喫して今季初黒星。

リリーフ陣では、19日にケムナ誠が勝ち投手となり、同試合では中崎翔太が今季初登板で1イニングを無失点に抑えました。大瀬良大地が登板回避を繰り返すなど、投手陣もやや苦しい状況となっていますが、離脱中の栗林良吏に代わるクローザーとして、先週2試合に登板して2セーブ、今季11試合でいまだ防御率0.00の矢崎拓也がMVPに相応しいのではないでしょうか。

野手では西川龍馬が6試合で週間打率.400をマークしていますが、ここは敢えて4試合出場ながら、9打数4安打で同打率.444、4四球も加えて同出塁率が脅威の.615、OPS1.171の上本崇司をMVPに選出したいと思います。

文：大久保泰伸