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野球 コラム 2023年5月2日

【横浜好き】4月は球団新記録の16勝。週刊MVPは8打点の牧秀悟と1週間で3勝をマークした三嶋一輝。『週刊ベイスターズいいとこどり』

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

年に数回あるかないかの週間全勝。球団新記録となる4月16勝をマークしたチームは、混戦模様かと思われた今年のセ・リーグで、あっという間に2位に3ゲーム差を付けての首位となりました。延長サヨナラ勝ちに息詰まる投手戦、そして締めくくりは『マダックス』と、最高に楽しかった1週間を振り返っていきましょう。

昨季リーグ王者のヤクルトを地元に迎えての3連戦は、活発な打線が光った。もっとも輝いていたのが、今季6番に定着した関根大気で、25日の初戦では右中間へのフライが相手野手の交錯で今季1号となるランニング本塁打となり、27日には延長戦に終止符を打つプロ初のサヨナラ打を放った。

開幕から不振が続いた牧秀悟は、故郷の長野県から両親や親族など多数(本人によれば40人)が観戦に訪れた25日に先制タイムリー、中盤までの4点ビハインドを逆転した27日には、逆転3ラン本塁打など活躍。25日と27日は伊藤光がいずれも2安打、26日には戸柱恭孝が決勝点となる3ラン本塁打と、スタメン捕手が3試合全てでマルチ安打&打点を記録した。

投手陣は、25日に先発したガゼルマンが6回無失点でリーグトップタイの3勝目。終盤勝負となった26、27日は、いずれも1イニングを無失点に抑えた三嶋一輝が2日連続で勝利投手となった。今季初勝利となった26日は自身355日ぶりとなる白星で、3つのアウト全てが三振の快投だった。

敵地での中日3連戦は、先発左腕2人が最上級の投球を見せた。28日の初戦では、今永昇太が7回4安打無失点、12奪三振と圧巻の投球で防御率0.00をキープ。中日先発の小笠原慎之介との最少得点差のサウスポー対決は見応え十分だった。

30日は東克樹が9回4安打無失点で自身5年ぶりとなる完投、完封勝利をマークした。中日打線に二塁を踏ませず、この日も無四球の完璧な投球で、今季ここまで28イニング連続無四球を継続中。この日の投球数は97球で、MLBで100球未満での完封勝利の通称である『マダックス』を達成した。大貫晋一が5回途中4失点で降板した29日は、後を継いだ三嶋が1死2・3塁のピンチを内野ゴロの間の1点のみに抑え、またも勝利投手となった。

プロ野球2023公式戦

【ハイライト動画】中日 vs.横浜DeNA(4月30日)東克樹が4安打完封勝利、牧秀悟が決勝タイムリー

野手陣では、ロースコアとなった28日、30日ともに牧が決勝タイムリーで全打点を叩き出す活躍。シーソーゲームとなった29日は、代打・楠本泰史が決勝点となる逆転打を放った。

先週の週間成績では、野手のレギュラー陣で週間打率3割を超えた選手は、桑原(6試合.364)と牧(6試合.300)の2人。準レギュラーの林も4試合で.357と調子が上がっています。打率リーグトップの宮崎敏郎は先週も.400をマークしていますが、出場は3試合のみ。戸柱が3試合で.333、伊藤が2試合で.500、27日に先発出場した大田泰示が5打数2安打で.400と、いわゆる『伏兵』と呼ばれる選手の活躍が目立ちました。

投手陣は、前述した以外の先発投手では26日の石田健大が6回1失点。27日の平良拳太郎は5回4失点でした。リリーフ陣は、クローザーの山崎康晃が4試合に登板して2セーブ、1ホールドで週間防御率2.25。伊勢大夢も4試合に登板して1セーブ、3ホールドで、こちらは同0.00をマークしました。先週3勝の三嶋は、3試合2回2/3を無失点で、開幕から8試合連続無失点、防御率0.00をキープしています。

週間MVPは野手がチーム週間最多となる8打点で、再三チームの勝利に直結する一打を放った牧、投手は国指定の難病を克服し、週間3勝という滅多にない数字をマークした三嶋を選出したいと思います。

ハマスタでは9連勝中と絶好調のチームが、今週も勝ち続けて文字通りの『黄金週間』とすることができるか。噂の超大物、バウアーの初先発も3日に予定されており、見逃せない大型連休になりそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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